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特定技能2号 N3の落とし穴 — 95点合格でもCEFRはA2

合格ラインは95点。でも書類に効くのは104点から

執筆: Monoxer GO 編集部(モノグサ株式会社)|最終更新: 2026年9月9日|公開 2026年9月8日|約5分で読めます|最終確認日 2026年9月9日
食品工場の事務所の一角で、入場証を下げた女性が、机に開いた方眼のノートを指でたどっている。隣で男性がのぞき込む。背景に白い衛生服のラック
現場に出る前の事務所コーナー。入場証を下げたまま、書き込んだノートを開く ※ 写真はイメージです(AI生成)

30秒版

  1. 政府の案内サイトが、政府自身の改正に追いついていません。特定技能総合支援サイト(ssw.go.jp)どおりにそろえると、飲食料品製造業とビルクリーニングの2号は書類が1枚足りません。
  2. 抜けるのは日本語能力試験(JLPT)N3の合格証明書の写しです。2026年(令和8年)8月28日、要領別冊の一部改正で両分野の2号に入りました。
  3. N3に受かっただけでは足りないことがあります。別冊の但し書きは「CEFRのB1相当以上を判定された場合に限る」。合格ラインは95点、B1が付くのは104点からです。
  4. まず、2号に上げる予定の人のJLPTの書類を実物で見て、総合得点が104点に届いているか確かめてください。
目次(13項目)
  1. 1. 2026年8月28日の改正で変わったこと
  2. 2. 分野別の2号の日本語要件(2026年9月8日時点)
  3. 建設だけ書き方が違う理由
  4. 3. 総合支援サイトを見て起きる、よくある間違い
  5. 要領別冊の開き方
  6. 4. N3合格だけでは足りない条件(95点と104点)
  7. 別冊の但し書き
  8. N3の得点とCEFRの参考表示
  9. 例)N3に98点で受かった人の扱い
  10. 5. 2027年4月1日からどうなるか
  11. 日本語に経過措置はあるか
  12. 6. 準備の手順
  13. 社内の目標点は104点に置き直す

2026年8月28日の改正で変わったこと

特定技能2号にJLPT N3が入った順番2026年にN3が入った順番令和8年6月25日工業製品製造業要領別冊の改正で日本語試験を追加令和8年7月17日航空現行欄は(新設)令和8年8月28日飲食料品製造業・ビルクリーニングこの記事が扱う2分野。同じく(新設)2027年4月1日参照枠B1相当以上の省令が施行予定示し方は「別途お知らせ」
N3は分野ごとに、別々の日に入りました。飲食料品製造業とビルクリーニングは3番目。外食業と漁業はこれより前から要件です出典: 出入国在留管理庁 分野別の要領別冊(2026年9月8日にPDFを取得して確認)/出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新・6ページ。2027年4月1日の省令はこちら)

変わったのは2026年8月28日。出入国在留管理庁が分野別の別冊(以下、要領別冊)を一部改正し、両分野の2号の人材基準に日本語能力水準が加わりました。「技能試験と実務経験だけ」という説明に、無理はありません。少し前まで、そう読める資料しか無かったからです。

分野別の2号の日本語要件(2026年9月8日時点)

分野2号の日本語要件出典(要領別冊の版)
飲食料品製造業JLPT N3以上(CEFRのB1相当以上の判定が要る)令和8年8月28日一部改正
ビルクリーニングJLPT N3以上(CEFRのB1相当以上の判定が要る)令和8年8月28日一部改正
航空JLPT N3以上(CEFRのB1相当以上の判定が要る)令和8年7月17日一部改正
工業製品製造業JLPT N3以上(CEFRのB1相当以上の判定が要る)令和8年6月25日一部改正
外食業JLPT N3以上。CEFRの但し書きは付かない令和7年5月30日一部改正。要件自体は令和5年8月31日の版から
漁業JLPT N3以上。CEFRの但し書きは付かない令和6年2月15日一部改正
建設2号の日本語能力水準の記載が別冊に無い令和7年1月31日一部改正。以後の改正なし

7分野の別冊を開いて確かめました。記載があった6分野は、いずれも【確認対象の書類】に合格証明書の写しが挙がっています(建設は記載なし)。2号のある分野を全部調べたわけではありません。出典: 出入国在留管理庁 分野別の要領別冊(2026年9月8日にPDFを取得して確認)。

建設だけ書き方が違う理由

建設の行だけ書き方が違うのは、別冊と閣議決定で割れているからです。閣議決定「分野別運用方針」(令和8年1月23日)は、調べた5分野すべての2号にB1相当以上を定めています。

総合支援サイトを見て起きる、よくある間違い

最初に開くのは、たいてい特定技能総合支援サイト(ssw.go.jp)でしょう。ところが開いて確かめた範囲では、2026年9月8日時点でも日本語能力水準の項がありません。ビルクリーニング・飲食料品製造業・工業製品製造業・航空・建設の5ページです(外食業と漁業には載っています)。

要領別冊の開き方

書類は要領別冊に合わせてください。同庁の「特定技能運用要領」のページから、自社の分野の「本文・別表」を開けます。

N3合格だけでは足りない条件(95点と104点)

別冊の但し書き

飲食料品製造業の別冊は、【確認対象の書類】にこう書いています。「日本語能力試験(N3以上)の合格証明書の写し(CEFRのB1 相当以上を判定された場合に限る。)」

つまり:合格証明書があるだけでは足りず、CEFRでB1と判定されている必要があります。

N3の得点とCEFRの参考表示

JLPTは2025年第2回(12月)試験から、成績書類にCEFRレベルを参考表示しています。N3は合格点の95点から103点までがA2、104点以上がB1です。

JLPT N3 の総合得点と CEFR 参考表示(95〜103点=A2 / 104点以上=B1)N3 の総合得点(0〜180点)0拡大180合格ライン未満合格・でも A295〜103点B1104点〜9095104110
合格ライン(95点)と、CEFR参考表示でB1が付く得点(104点)は9点ずれています出典: JLPT公式サイト「CEFRレベルの参考表示について」「得点区分・合否判定・結果通知」/国際交流基金「日本語教育通信」日本語教育ニュース(2026年1月)(2026年9月8日確認)

例)N3に98点で受かった人の扱い

例)飲食料品製造業の工場で2号を目指すグエンさん(仮名)。12月のN3を98点で通りました。合格証明書は届きます。ところが成績書類の参考表示はA2。別冊の但し書きを満たさないので、N3を104点で取り直すか、N2(90点以上でB1)に回ることになります。落ちたわけではないのに、次の機会まで半年空きます。

総合得点だけを見ていると、区分ごとの基準点を落とします。得点区分は3つです。

  • 言語知識(文字・語彙・文法)
  • 読解
  • 聴解

1つでも基準点に届かなければ不合格の扱いで、CEFRレベルは表示されず「*」が入ります。

代わりの試験もありません。この2分野の別冊で2号に並ぶのはJLPT N3以上だけ(1号はJFT-Basic A2.2相当以上とJLPT N4以上)。技能実習2号を良好に修了していても免除はありません(ビルクリーニングの別表は2号の欄が「―」)。

確認できていないこと(2026年9月8日時点)CEFRの参考表示が載るのは成績書類です。別冊が求めるのは合格証明書の写しで、証明書に表示が載るかは公表されていません。参考表示が始まった2025年第2回より前に合格した人の扱い、どの時点の申請から適用されるか、すでに2号で在留している人の更新も、原文にありません。移行申請を準備中なら、管轄の地方出入国在留管理局にご確認ください。

その場で体験

JLPT N3 — 実際の模試から3問(文字・語彙/文法・読解/聴解)

文字・語彙 / 1問目(全3問)

事故の 原因を 調べて いる。

2027年4月1日からどうなるか

いつ出す申請か日本語をどう示すか
いまN3の合格証明書の写し(B1=104点以上)
2027年4月1日以降参照枠のB1相当以上。示し方が変わる予定・内容は未公表

別冊の注は、こう書いています。「令和9年4月1日以降、特定技能2号においては『日本語教育の参照枠』B1相当以上が求められますが、その取扱いについては別途お知らせします」

つまり:この日以降はB1相当を参照枠で確認する、その示し方は追って知らせる、という予告です。

日本語に経過措置はあるか

経過措置も当てにできません。開いた5分野の別紙で「第四 経過措置」を持つのは飲食料品製造業だけ。対象は技能水準と業務区分。日本語能力水準は入りません。

別冊に記載のない建設のような分野でも、遅くともこの日が起点と見込まれます。別冊の改正が先に来ることもあります。同庁の「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新)6ページは、2号の日本語能力水準を「試験(B1相当以上)で確認」とし、令和9年4月1日から省令が施行予定と書いています。

準備の手順

2号に上げる予定の人が持っているJLPTの書類を、実物で見てください。

社員のJLPTの書類を見たあとの分岐書類を1枚出したあと、どこで分かれるかN3の合格証明書があるかはい → 成績書類の総合得点を見るいいえ → 次のJLPTへ総合得点は104点以上かはい → 合格証明書の写しを申請書類へいいえ(95〜103点)→ 次のJLPTへ合格が2025年12月より前かはい → 成績書類にCEFRの欄が無い   扱いは未確認。入管に確認する次のJLPTは7月か12月年2回だけ。1回ずれると半年の遅れ
分かれ目は書類の1枚です。104点に届いていなければ、次の受験は7月か12月になります出典: 出入国在留管理庁 分野別の要領別冊(2026年9月8日にPDFを取得して確認)/日本語能力試験 JLPT 公式サイト「日本語能力試験について」(2026年9月8日確認)

社内の目標点は104点に置き直す

社内の目標点も、95点から104点へ置き直してください。「合格」を目標にした半年と、104点を目標にした半年では、教材の重さが変わります。

技能試験の勉強と日本語の勉強を、別の担当に振り分けないでください。会社として合格まで運ぶ設計の中で一体にするほうが近道です。他分野は分野別の日本語要件、省令はB1必須化(2027年4月予定)に。N3の手ざわりは、上に置いた3問で確かめられます。

社内に共有するなら、この3行1. 2026年8月28日の要領別冊の改正で、飲食料品製造業とビルクリーニングの2号にJLPT N3が入りました(どの時点の申請から適用されるかは原文になく、入管に確認)。2. 政府の総合支援サイトにはまだ載っていません。書類は要領別冊に合わせます。3. N3は合格(95点)では足りないことがあります。CEFRのB1が付くのは104点から。目標点は104点に。

出典(22件)
  • 出入国在留管理庁 ビルクリーニング分野の基準についての一部改正 新旧対照表(令和8年8月28日・2号にJLPT N3以上を新設・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 飲食料品製造業分野の基準についての一部改正 新旧対照表(令和8年8月28日・同上・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 飲食料品製造業分野 要領別冊(令和8年8月28日一部改正・確認対象の書類に合格証明書の写し・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 ビルクリーニング分野 要領別冊(令和8年8月28日一部改正・別表の免除欄は「―」・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 航空分野 要領別冊 一部改正 新旧対照表(令和8年7月17日・2号にJLPT N3以上を新設・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 航空分野 要領別冊(令和8年7月17日一部改正・2号にJLPT N3以上・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 工業製品製造業分野 要領別冊 一部改正 新旧対照表(令和8年6月25日・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 工業製品製造業分野 要領別冊(令和8年6月25日一部改正・2号にJLPT N3以上・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 外食業分野 要領別冊(令和7年5月30日一部改正・2号に日本語能力試験N3以上・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 漁業分野 要領別冊(令和6年2月15日一部改正・2号に日本語能力試験N3以上・確認対象の書類に合格証明書の写し・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 建設分野 要領別冊(令和7年1月31日一部改正・2号の日本語能力水準の記載なし・PDF・2026年9月8日確認)
  • 特定技能の分野別運用方針 別紙15 飲食料品製造業(令和8年1月23日閣議決定・第四 経過措置は技能水準と業務区分のみ・PDF・2026年9月8日確認)
  • 特定技能の分野別運用方針 別紙5 建設(令和8年1月23日閣議決定・2号に参照枠B1相当以上・PDF・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁「特定技能運用要領」(分野別の要領別冊=各分野の「本文・別表」の一覧・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁「基本方針・分野別運用方針・運用要領」(分野別運用方針の別紙・分野別運用要領の廃止日一覧・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新・6ページに「試験(B1相当以上)で確認」「令和9年4月1日から、当該日本語能力水準に係る省令が施行予定」・PDF・2026年9月8日確認)
  • 日本語能力試験 JLPT 公式サイト「CEFRレベルの参考表示について」(2025年第2回試験から・参考表示は「成績書類」に記載・2026年9月8日確認)
  • 日本語能力試験 JLPT 公式サイト「得点区分・合否判定・結果通知」(N3の得点区分は「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」の3区分・2026年9月8日確認)
  • 日本語能力試験 JLPT 公式サイト「日本語能力試験について」(国内は年2回・「海外では、7月の試験だけ行う都市や、12月の試験だけ行う都市があります」・2026年9月8日確認)
  • 国際交流基金「日本語教育通信」日本語教育ニュース(2026年1月・N3は95〜103点がA2・104点以上がB1・不合格者は「*」表示・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 特定技能総合支援サイト ビルクリーニング分野 特定技能2号(人材基準に日本語能力水準の項が無い・2026年9月8日確認)
  • 出入国在留管理庁 特定技能総合支援サイト 漁業分野 特定技能2号(技能水準に「日本語能力試験(N3以上)」の記載あり・2026年9月8日確認)

よくある質問

Q.支援機関からは日本語試験は要らないと聞いていました

2026年8月28日の要領別冊の一部改正で、両分野の2号にN3が入りました。総合支援サイトは未反映なので、書類は要領別冊で確かめてください。

Q.うちの社員はもうN3を持っているのですが、これで大丈夫ですか

総合得点を確かめてください。合格の95点ではA2で、CEFRのB1が付くのは104点からです。3区分の基準点も落とせません。

Q.建設はどうですか

要領別冊に2号の日本語能力水準の記載はありません。ただし閣議決定の別紙は2号にB1相当以上。改正を待たずに準備してください。

更新履歴(4件)
  • 2026年9月8日 — 公開
  • 2026年9月8日 — 一次資料を読み直して4点を訂正(航空も令和8年7月17日の一部改正で同じN3要件/特定技能総合支援サイトでN3が載っているのは外食業と漁業のページ/JLPTの得点区分名は「言語知識(文字・語彙・文法)」「読解」「聴解」/ビルクリーニング2号評価試験の出題形式)
  • 2026年9月8日 — 図解と写真を足し、本文を短くした。95点で合格した人の具体例と、N3の書類をどう見るかの分岐図を追加(事実の変更なし)
  • 2026年9月9日 — 小見出しを足して目次から探せるようにし、模試の体験を本文の中へ移した。検索結果に出る説明文も短くした(事実の変更なし)

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目次

  1. 1. 2026年8月28日の改正で変わったこと
  2. 2. 分野別の2号の日本語要件(2026年9月8日時点)
  3. 建設だけ書き方が違う理由
  4. 3. 総合支援サイトを見て起きる、よくある間違い
  5. 要領別冊の開き方
  6. 4. N3合格だけでは足りない条件(95点と104点)
  7. 別冊の但し書き
  8. N3の得点とCEFRの参考表示
  9. 例)N3に98点で受かった人の扱い
  10. 5. 2027年4月1日からどうなるか
  11. 日本語に経過措置はあるか
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