特定技能2号の日本語要件は、分野で違います

結論
- 飲食料品製造業とビルクリーニングの2号は、日本語能力試験(JLPT)N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)が要件です。在留申請の確認書類にも合格証明書の写しが挙げられています。
- 外食業の2号は以前からN3以上。建設の要領別冊には、2号の日本語試験の記載がありません。
- 2027年4月からは、2号の日本語能力を「日本語教育の参照枠」B1相当以上で確認する形に整理される予定です。
分野別の要件を1つの表で
「特定技能2号には高い日本語力が要る」と一括りに語られがちですが、日本語試験の扱いは分野ごとの要領別冊で決まっていて、いまも分野差が残ります。Monoxer GO が対応する4分野と介護を並べます。
| 分野 | 2号の日本語試験 | 技能試験 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 建設 | 要領別冊に記載なし | 建設分野特定技能2号評価試験(土木/建築/ライフライン・設備) | 班長等の実務経験が必要。別冊は2025年1月31日一部改正が最後で、2号の日本語能力水準の項目そのものが無い |
| 外食業 | JLPT N3以上が必要 | 外食業特定技能2号技能測定試験 | 2号が開放された2023年8月の版から要件。CEFRの但し書きは付かない |
| 飲食料品製造業 | JLPT N3以上が必要(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る) | 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験 | 確認対象の書類に合格証明書の写し(要領別冊 2026年8月28日一部改正) |
| ビルクリーニング | JLPT N3以上が必要(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る) | ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験 | 確認対象の書類に合格証明書の写し(同日の一部改正)。実技に記述式があり、解答は日本語の手書き |
| 介護 | —(2号なし) | — | 2号が設けられておらず、長期就労は介護福祉士国家試験→在留資格「介護」のルート |
出典: 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」の分野別の別冊(飲食料品製造業・ビルクリーニングは2026年8月28日一部改正、外食業は2025年5月30日一部改正、建設は2025年1月31日一部改正)。技能試験の実施方式はOTAFF・JAC 建設技能人材機構・全国ビルメンテナンス協会(2026年9月8日確認)。各PDFは記事末の出典に掲載しています。
特定技能総合支援サイト(ssw.go.jp)の飲食料品製造業・ビルクリーニングの2号ページは、いまも技能試験と実務経験しか載せていません。在留申請の審査で使われるのは分野別の要領別冊なので、この記事は要領別冊を採っています(2026年9月8日確認)。
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よくある誤解: 「介護は1号から2号へ」という説明は誤りです。介護分野に特定技能2号はありません。長期就労のルートは介護福祉士国家試験に合格して在留資格「介護」へ移ることです。
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外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングの2号を目指すなら、N3がどのくらいの水準かを先に見ておくと学習計画を立てやすくなります。N3の模試を無料で体験する(申し込み不要・その場で採点まで)。
日本語試験の記載がない建設でも、日本語はいります
建設の要領別冊には2号の日本語試験の記載がありませんが、技能試験そのものは日本語で出題されます。学科試験は日本語の設問を読んで答えます。ビルクリーニングに至っては、記述式の解答を日本語で手書きします。つまり試験に受かる日本語力は実質的に必要で、「別冊に書いていないから勉強しなくてよい」とはなりません。
- 学科試験は日本語で出題される(専門用語を日本語で読める必要がある)
- 現場の安全指示・職長業務は日本語で行われる
- 2号は監督者としての実務経験が求められ、部下への指示は日本語になる
試験問題の日本語は、分野でこれだけ違う
同じ「日本語で出題」でも、ルビの有無・選択肢の数・解答の方法が分野ごとに違います。読者の方から見て意外なのは、要領別冊に日本語試験の記載がない建設にルビが付き、N3が要件の外食業にルビが付かない、というねじれでしょう。各試験の現行の実施方式と合わせて並べます。
| 試験 | ふりがな | 方式 | 解答の日本語 |
|---|---|---|---|
| 建設2号評価試験 | あり(2025年4月以降) | CBT・4択 | 画面上で選択肢を選ぶ |
| 外食業2号技能測定試験 | なし(学習用テキストには付いている) | CBT・3択 | 画面上で選択肢を選ぶ |
| 飲食料品製造業2号技能測定試験 | なし | CBT・4択 | 画面上で選択肢を選ぶ |
| ビルクリーニング2号評価試験 | あり(漢字にひらがな) | 会場での筆記 | 論述・計算を含み、解答も日本語で手書き |
| 介護福祉士国家試験 | 希望すれば全漢字ふりがな付き問題用紙+試験時間1.5倍(外国籍等の配慮申請) | マークシート・5肢択一 | マークシートを塗る |
出典: JAC・国土交通省試験実施要領/OTAFF 各試験案内(2026年4月版・CBT化を2026年8月11日確認)/全国ビルメンテナンス協会 受験案内/社会福祉振興・試験センター 第39回受験の手引(いずれも2026年8月11日確認)。
実務への含意は2つあります。第一に、外食業・飲食料品製造業はルビなしの漢字を読む練習が必須です。学習用の公式テキストにはルビが付いているため、「テキストは読めるのに本番で読めない」が起こり得ます。第二に、ビルクリーニングは読むだけでなく書く試験です。「重要なポイントを5つ書きなさい」のような箇条書きの論述を日本語で手書きするため、対策の設計が他分野とはまったく別物になります。
介護福祉士国家試験には、外国籍の受験者向けの公式な配慮があります。受験申込の際に「外国籍等確認書類貼付用紙」で希望すれば、全ての漢字にふりがなを付けた問題用紙と、通常の1.5倍の試験時間で受験できます。疾患名に英訳が併記される(例: 変形性膝関節症 (knee osteoarthritis))のも公式の表記ルールです。要件として日本語試験はなくても、受験環境の面では最も手厚い試験だと言えます。
参考: 1号の日本語要件はどうなっているか
特定技能1号には日本語能力水準の確認があります。出入国在留管理庁の制度資料では、1号の日本語能力水準は「試験(N4等)で確認」とされ、技能実習2号を良好に修了した外国人は試験が免除されます。2号の側は分野ごとの要領別冊が決めていて、飲食料品製造業・ビルクリーニング・外食業はN3以上、建設は記載がありません。1号は全分野で確認があるのに、2号は分野で扱いが割れている状態です。2027年4月に予定される変更(次のセクション)は、この割れを全分野でそろえる方向の改正になります。
2027年4月に予定される変更
出入国在留管理庁の資料では、2027年(令和9年)4月1日から、特定技能2号の日本語能力水準を「試験(CEFR B1相当以上)で確認」とする省令が施行される予定です。どの試験の何点でB1相当を証明するかは未公表で、省令の公布待ちです。
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この日付は「日本語試験が要るようになる日」ではありません。飲食料品製造業・ビルクリーニング・外食業では、いまの在留申請でN3の合格証明書の写しを出します。飲食料品製造業とビルクリーニングの要領別冊は「令和9年4月1日以降、特定技能2号においては『日本語教育の参照枠』B1相当以上が求められますが、その取扱いについては別途お知らせします」と注記していて、参照枠での示し方が整理される段だと読めます。
外食業のN3は、JLPTの日程から逆算する
N3が要件になる外食業では、日本語能力試験(JLPT)の日程が計画の起点になります。JLPTは年2回で、2026年は第1回が7月5日(日)、第2回が12月6日(日)。日本国内の合否結果は第1回分が9月上旬、第2回分が2月上旬の送付予定で、受験から結果確定まで約2か月かかります。都合のよい日時を予約できる技能測定試験(CBT)と違い、JLPTは申し込みそびれや1回の不合格が半年単位の遅れに直結します。在留期限から逆算するなら、先にJLPTの試験日と結果時期をカレンダーに固定するのが現実的です。
N3の水準は、JLPT公式サイトの「認定の目安」で「日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる」とされています。読む力では「新聞の見出しなどから情報の概要をつかむことができる」こと、聞く力では日常的な場面のやや自然に近いスピードのまとまりのある会話をほぼ理解できることが目安です。1つ下のN4が「基本的な日本語を理解することができる」であることと比べると、N3は教室の日本語から、生活と業務で使う日本語へ進む段階の級です。
企業側の実務への落とし込み
受入企業の立場では、次の2点に分けて考えるのが実務的です。
- 外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニング: N3合格が前提。技能試験の勉強と並行して、JLPT対策を計画に入れる
- 飲食料品製造業・ビルクリーニングは「CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る」という但し書き付き。JLPT公式のCEFR参考表示では、N3の合格ラインは95点でも、B1が付くのは104点以上(95〜103点はA2)
- 建設: 要領別冊に日本語試験の記載はないが、学科・実技は日本語で出る。試験対策と日本語教育を分けずに一体で設計する
各分野の試験そのもの(出題範囲・実務経験・申込の段取り)は、分野別の試験解説で詳しく整理しています:建設・外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニング・介護(介護福祉士国家試験)
出典
- 出入国在留管理庁 飲食料品製造業分野 要領別冊(令和8年8月28日一部改正・2号にJLPT N3以上・確認対象の書類に合格証明書の写し・PDF・2026年9月8日確認)
- 出入国在留管理庁 ビルクリーニング分野 要領別冊(令和8年8月28日一部改正・同上・PDF・2026年9月8日確認)
- 出入国在留管理庁 外食業分野 要領別冊(令和7年5月30日一部改正・2号に日本語能力試験N3以上・PDF・2026年9月8日確認)
- 出入国在留管理庁 建設分野 要領別冊(令和7年1月31日一部改正・2号に日本語能力水準の記載なし・PDF・2026年9月8日確認)
- 日本語能力試験 JLPT 公式サイト「CEFRレベルの参考表示について」(N3は95〜103点がA2・104点以上がB1・2026年9月8日確認)
- 出入国在留管理庁 特定技能総合支援サイト「在留資格『特定技能』について」(各分野の2号ページ。要領別冊の改正が未反映で、食い違うときは別冊を採る・2026年9月8日確認)
- 出入国在留管理庁 令和8年3月27日資料 スライド6(2号の日本語能力水準を試験でCEFR B1相当以上と確認・令和9年4月1日施行予定・PDF・2026年8月9日確認)
- OTAFF(外食業・飲食料品製造業の特定技能2号技能測定試験・2026年8月9日確認)
- JAC 建設技能人材機構 試験ページ(建設分野特定技能2号評価試験・2026年8月9日確認)
- 全国ビルメンテナンス協会 在留資格「特定技能2号」ページ(ビルクリーニング分野・2026年8月9日確認)
- 社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験(介護の長期就労ルート・ふりがな付き問題用紙等の配慮は第39回受験の手引・2026年8月11日確認)
- 日本語能力試験 JLPT 公式サイト(試験日程・N1〜N5認定の目安・2026年8月11日確認)
外食業で必要なN3はどのくらいのレベルか — 実物で確かめる
「N3以上」と言われても、実際にどんな問題かが分からないと必要な学習量は見積もれません。下は、Monoxer GO が本番用に配信しているN3模試そのものから、文字・語彙/文法/聴解を1問ずつ抜き出したものです。聴解は本番と同じ音声とイラストが付いており、実際に聞いて答えられます。選ぶとその場で正誤が出ます。
その場で体験
JLPT N3 — 実際の模試から3問
文字・語彙 / 1問目(全3問)
よくある質問
Q.特定技能2号に日本語試験は必要ですか?
分野によります。外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングはJLPT N3以上が必要です。飲食料品製造業とビルクリーニングには「CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る」という但し書きが付き、在留申請の確認書類に合格証明書の写しが挙げられています。建設の要領別冊には2号の日本語試験の記載がありません(要領別冊で2026年9月8日確認)。
Q.N3に合格すれば、飲食料品製造業・ビルクリーニングの要件を満たせますか?
合格だけでは足りない場合があります。要領別冊の書き方は「日本語能力試験(JLPT)N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)」です。JLPT公式のCEFR参考表示では、N3の合格ラインは95点ですが、B1が付くのは104点以上で、95〜103点はA2と表示されます。さらに、総合得点が104点以上でも、得点区分のどれかが基準点未満だと不合格扱いでCEFRレベルは表示されません。
Q.JFT-BasicやBJTでも代用できますか?
できません。飲食料品製造業・ビルクリーニングの要領別冊で、2号の日本語能力水準として挙がっている試験はJLPT N3以上の1つだけです。同じ別冊の1号の欄にはJFT-Basicが明記されているので、書き分けは意図的なものと読めます。
Q.日本語試験の記載がない分野なら、日本語の勉強は不要ですか?
不要ではありません。技能試験自体が日本語で出題され、ビルクリーニングでは記述式解答を日本語で手書きします。試験対策がそのまま日本語学習になります。
Q.2027年4月のB1必須化とは何ですか?
特定技能2号の日本語能力水準を「試験(CEFR B1相当以上)で確認」とする省令が2027年4月1日に施行される予定です。どの試験の何点で証明するかは未公表です。
Q.介護の特定技能2号はどうなっていますか?
介護分野に特定技能2号はありません。長期就労を目指す場合は、介護福祉士国家試験に合格して在留資格「介護」に移行するルートになります。
Q.試験問題にふりがなは付いていますか?
分野で違います。建設は2025年4月以降の問題に振り仮名が付き、ビルクリーニングも漢字にひらがなが付きます。一方、外食業・飲食料品製造業の問題にルビは付きません(学習用の公式テキストには付いています)。
Q.JLPTはいつ受験できますか?
年2回です。2026年は第1回が7月5日、第2回が12月6日に実施され、日本国内の合否結果は受験から約2か月後(9月上旬/2月上旬)に送付される予定です。外食業の2号を目指す場合は、この日程からの逆算が計画の起点になります。
Q.介護福祉士国家試験に日本語の配慮はありますか?
あります。外国籍等の受験者は、申込時に希望すれば全ての漢字にふりがなを付けた問題用紙と、通常の1.5倍の試験時間で受験できます(第39回受験の手引による)。
Q.特定技能1号の日本語要件はどうなっていますか?
1号は日本語能力水準を試験(N4等)で確認します。技能実習2号を良好に修了した外国人は試験が免除されます(出入国在留管理庁の制度資料による)。
更新履歴(3件)
- 2026年9月8日 — 飲食料品製造業・ビルクリーニングの要領別冊(2026年8月28日一部改正)で、2号の要件に日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)が入り、確認対象の書類に合格証明書の写しが挙げられていることを確認し、この2分野を「要件なし」としていた記述を訂正。正典を特定技能総合支援サイトから要領別冊に変更
- 2026年8月12日 — 試験問題の日本語(ルビ・方式・解答)の分野差、1号の日本語要件、JLPT日程からの逆算、介護国試の配慮申請を加筆
- 2026年8月9日 — 公開
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