EXAM GUIDE — 飲食料品製造業
飲食料品製造業 特定技能2号技能測定試験とは
— 形式・出題範囲・合格基準を1ページで
工場の中核人材を通算5年で手放すかどうか。その分岐点になるのがこの試験です。OTAFFの試験案内・学習用テキスト・農林水産省のQ&Aを読み込み、要点をまとめました。
問題数
50問
学科35+実技15
試験時間
70分
学科+実技 通算
合格基準
65%
200点満点130点
日本語試験
N3
2号の要件(B1相当以上の判定)
最終更新: |出典は各セクション末尾に記載
受験前に知っておきたい4つの特徴
POINT 01日本語能力試験N3以上が要件
要領別冊(2026年8月28日一部改正)で、2号の日本語能力水準にJLPT N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)が入りました。在留申請では合格証明書の写しを出します。技能測定試験と二正面の準備になります。
POINT 02実技は計算問題が主軸
計画立案試験では歩留まり・稼働率・標準時間など、計算式を使う問題が出ます。公式は限られているので、型を覚えれば確実な得点源にできます。
POINT 03HACCP・衛生管理は最重要分野
食品安全・品質管理・生産管理・コストまで、工場の現場リーダーとして必要な管理知識が幅広く問われます。作業ができるだけでは足りません。
POINT 04試験問題にルビ(振り仮名)が無い
試験は日本語で実施され、漢字にルビは付きません。専門用語(殺菌・歩留り・危害要因など)をルビ無しで読める状態にしておく必要があります。
1号と2号で、何が変わるのか
出入国在留管理庁は特定技能2号を「特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格」と位置づけています。試験の中身に入る前に、合格によって在留資格として何が変わるのかを、1号と並べて確認しておきましょう。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 1年を超えない範囲内で指定される期間ごとの更新(通算で上限5年まで) | 3年・1年または6か月ごとの更新(更新回数に制限なし) |
| 家族の帯同 | 基本的に認めない | 要件を満たせば可能(配偶者・子) |
| 支援 | 受入れ機関または登録支援機関による支援の対象 | 支援の対象外 |
| 技能水準 | 試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除) | 試験等で確認 |
| 日本語能力水準 | 試験(N4等)で確認(技能実習2号修了者は免除) | 日本語能力試験N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る) |
受け入れ企業の視点では、通算5年の上限が消えることは「5年で必ず帰国する前提の要員計画」から「工場の中核人材として長期で任せる計画」への切り替えを意味します。配偶者・子の帯同が可能になる点も、本人の定着意向に直接影響する変化です。
一方で、農林水産省のQ&A(2026年8月作成版)は永住者との違いを明確にしています。特定技能2号は活動内容が受け入れ分野の熟練した技能を要する業務に限定され、在留期間(3年・1年または6か月)ごとの更新手続きが必要な点が在留資格「永住者」と異なります。更新が続く限り在留できますが、永住許可そのものではありません。
出典: 出入国在留管理庁「特定技能1号のポイント・特定技能2号のポイント」(PDF)・農林水産省 食品産業分野の特定技能2号に関するQ&A(令和8年8月作成版・PDF)
対象になる事業所、ならない事業所
自社の事業所がそもそも分野の対象かどうかは、日本標準産業分類で判定されます。農林水産省のFAQ(2026年3月更新版)では、主たる業務として食料品製造業(中分類09)、清涼飲料製造業、茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)、製氷業を行う事業所に加え、菓子・パン・豆腐かまぼこ等の製造小売や、食料品製造を行う総合・食料品スーパーマーケットが対象と整理されています。
- 食品工場全般 — 畜産食料品・水産食料品・缶詰・漬物・調味料・パン・菓子・めん類・冷凍食品・そう菜・清涼飲料・茶・コーヒー等を製造・加工し、卸売する事業所
- プロセスセンター — 小売業者や卸事業者等向けに精肉加工・水産物加工・そう菜製造などを行う事業所
- セントラルキッチン — 外食店舗での調理に代わり料理品・原材料の製造・加工を行う集中調理施設。ただし外食店舗と同一敷地内にある場合は外食業とみなされ対象外
- スーパーのバックヤード — 2024年(令和6年)7月23日から総合スーパーマーケット・食料品スーパーマーケットが対象に追加。ただしバックヤードなどの食料品製造部門のみが対象
スーパーマーケットでの就労範囲は厳格です。惣菜などの製造部門に限られ、レジ打ちや接客等の販売業務、自ら製造・加工した食料品以外の商品の陳列・品出し(補充業務)は一切できません。同じバックヤードでも、百貨店・コンビニエンスストア・ドラッグストア等は対象外で、スーパーに出店しているテナントも対象外です。
対象外の業種も明示されています。酒類製造業、飲食料品卸売業、塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、ペットフードの製造は分野の対象になりません。飲食店内の調理場はセントラルキッチンとはみなされず、こちらは外食業分野の領域です。なお、製造・加工と安全衛生が主たる業務であれば、同じ業務に従事する日本人が通常行う関連業務へ付随的に従事することは差し支えないとされています。原材料の受け入れや清掃を完全に切り分ける必要はありませんが、あくまで「付随的」であることが条件です。
2号が担うのは「作業」ではなく「管理」
業務の中身も1号と2号で異なります。1号の業務は飲食料品(酒類を除く)の製造・加工(原料の処理・加熱・殺菌・成形・乾燥等の一連の生産行為)と安全衛生ですが、2号ではこれらに加えて、衛生管理・安全衛生管理・品質管理・納期管理・コスト管理・従業員管理・原材料管理等の管理業務が想定されています。農林水産省のQ&Aは、事業所責任者(工場長等)が行う管理業務を補助する前提で、担当部門長・ライン長・班長等の役職を命じて従事させることを想定すると示しています。学科・実技の出題領域(HACCP・品質・納期・コスト管理)は、この業務範囲をそのまま映した構成です。
出典: 農林水産省 特定技能 飲食料品製造業分野に関するFAQ(令和8年3月更新版・PDF)・農林水産省 食品産業分野の特定技能2号に関するQ&A(令和8年8月作成版・PDF)
出題の内訳と申込の実務
数字の内訳、受験資格、申込の動き方。この3つを順に押さえれば、受験計画を立てられます。
出題領域別の問題数と配点
学科35問・実技15問の中身は、OTAFFの国内試験案内で出題領域と配点まで公表されています。
| 区分 | 出題領域 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| 学科(前半) | 飲食料品製造業での管理/安全・安心な食品製造(一般衛生管理・HACCP)/安全・安心の管理(労働安全衛生) | 15問 | 1問3点・計45点 |
| 学科(後半) | 品質管理/納期管理/コスト管理/よりよい管理のために | 20問 | 1問4点・計80点 |
| 実技 | 安全・安心な食品製造/安全・安心の管理 | 7問 | 1問5点・計35点 |
| 実技 | 品質管理/納期管理/コスト管理 | 8問 | 1問5点・計40点 |
1問あたりの配点は学科前半の3点、学科後半の4点、実技の5点の順に重くなります。品質管理・納期管理・コスト管理は学科と実技の両方に登場する中心領域で、知識として答えるだけでなく、実技では「図やイラスト等を用いた状況設定において正しい行動等を判断する判断試験」と「所定の計算式を用いて必要となる作業の計画を立案する計画立案試験」の形でも問われます。
出題元となる学習用テキストは、2026年4月以降の試験から第3版に切り替わりました。第3版では第1章「職長として働くための基本」と第6章「社会の変化と会社の方針」が新たに追加され、報連相やハラスメント対応、食品ロスへの対応といったテーマも試験範囲に含まれます。以前の版のテキストで学習してきた場合は、この2章分が手つかずになっていないかの確認が必要です。
受験資格は指導・工程管理の経験2年以上
2号試験は誰でも受験できるわけではなく、現場リーダーとしての実務経験が受験資格になっています。OTAFFの試験概要ページでは、主な受験資格として「試験の日に、在留資格を有する人」「試験の日に、満17歳以上の人」であることに加え、「飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験が2年以上であること」が示されています。
ポイントは、単に飲食料品製造の現場で2年働いた経験ではなく、「複数の作業員を指導しながら」「工程を管理する者として」の経験が2年以上求められている点です。受験させる従業員を選ぶ際は、いつから・どの工程で指導的な役割を担ってきたかを整理しておくと、後の証明がスムーズです。
この実務経験は、企業が作成する実務経験証明書によって確認されます。OTAFFは「企業から実務経験証明書をOTAFFに出してもらう必要があるため、特定技能2号試験申込は、企業マイページを登録している企業から受験者登録をしてもらう必要があります」と案内しており、証明書の提出は受験者本人ではなく企業の役割です。
申込の流れ。起点は企業マイページ
飲食料品製造業の2号試験は、本人任せでは申込が始められません。企業がOTAFFの「企業マイページ」から受験者登録を行うところがスタートです。
- 1. 企業マイページの登録 — 企業がOTAFFの企業マイページに登録します。企業区分によっては、登録時1回限りの登録料5,500円(税込)がかかります
- 2. 受験者登録 — 企業マイページから受験する従業員を登録します。2号試験では実務経験証明書を企業からOTAFFへ提出する必要があるため、この企業経由の登録が必須です。区分によっては受験者1人あたり初回に限り1,100円(税込)の利用料(1企業マイページあたり年間上限22,000円)がかかります
- 3. 試験予約 — 受験者本人がマイページにログインし、試験の日時・会場を選択して予約します(企業担当者による代行予約も可能)。国内試験の日程・会場は、OTAFFの試験ページから案内されるプロメトリック社の試験スケジュールページで公表されています
- 4. 受験料の支払い — クレジットカードまたはPayPayで支払い、支払い完了をもって予約完了となります
- 5. 試験日の変更 — 試験日の3営業日前の23:59(試験日が土日・日本の祝日の場合は4営業日前の23:59)まで可能です
2026年度からは、国内試験はCBT方式で年間を通して継続的に実施されています(年末年始・祝日等を除く)。試験会場・日時は、OTAFFの試験ページから案内されるプロメトリック社の試験スケジュールページで確認し、随時予約する方式です。※2025年度まで(最終は2026年1月実施分)は年度内に回を区切る方式でした。古い情報と混同しないようご注意ください。
合否は、受験日から5営業日以内をめどに受験者マイページの「受験履歴」からダウンロードできる「試験結果通知書」で確認します(郵送はありません)。在留資格の手続きに使う「合格証書」はこれとは別の書類で、合格発表後に企業マイページの「受験申込み・受験状況」からダウンロード・印刷します。
不合格になった場合、同じ業種の試験の再受験は試験日の翌日から起算して45日間空ける必要があります。在留期限や在留資格の更新時期が近い従業員については、万一の再受験も見込んで初回の受験日を早めに設定しておくことをおすすめします。
実務経験2年は、どう数えるのか
受験資格の「管理者相当の実務経験2年以上」は、どの期間を算入できるかの細則が農林水産省のQ&A(2026年8月作成版)で示されています。受験候補者の選定を誤ると申込段階でつまずくため、先に数え方のルールを押さえてください。
まず、時期の要件が2026年(令和8年)5月1日に変わりました。従来は試験の日から6か月以内に実務経験2年以上が見込まれていれば受験できましたが、現在は試験の前日までに2年の実務経験を積み終えている必要があります。「もうすぐ2年になるから先に受験させておく」という段取りは組めなくなりました。経験の起算日から逆算して受験日を設定してください。
- 複数企業の通算 — 可。同一企業である必要はなく、通算で2年を満たせば要件を満たします。過去の在籍企業ごとに証明書を作成してもらい、現在所属している企業がまとめて提出します
- 国外での経験 — 対象。海外の日本企業への出向などで管理者相当の経験を積んだ場合も、その旨の証明書を提出すれば算入できます
- 技能実習の期間 — 対象外。技能実習は技能等の修得を目的とした活動であり、管理者としての従事が想定されていないためです
- 他分野での管理経験 — 対象外。飲食料品製造業分野での管理者相当の経験に限られます
- 休職・帰国期間 — 算入不可。業務に従事していない期間は除いた上で、規定の期間を満たす必要があります
役職と証明書類の実務
2号人材は役職を命じて管理業務に従事させることが基本とされ、担当部門長・ライン長・班長等が想定役職として例示されています。日本人も含めて辞令や職務命令書を出していない企業では、管理者相当としていつの時点から複数の従業員を指導しているかが分かる資料の用意が求められます。この記録は実務経験証明書の裏付けになるため、受験を見据えるなら役職の発令や指導体制の記録を早めに文書化しておくのが確実です。
公式テキスト第3版・全6章を読み解く
対策の出発点は、OTAFFが公式サイトで無償公開している「特定技能2号受験者用学習用テキスト」(第3.01版・PDF)です。農林水産省のQ&Aによると、サンプル問題はいずれの分野でも公表されていません。公式に示された対策資料は、このテキストだけということになります。本文143ページに13ページの索引が付く分量で、私たちは模擬試験と教材を作るために全章を読み込んでいます。章ごとのテーマは次のとおりです。
| 章 | 主なテーマ | 試験でのあらわれ方 |
|---|---|---|
| 第1章 職長として働くための基本 | 報連相・5W1H・OJT・監督と指示・コーチング、パワハラ・マタハラ・カスハラ等のハラスメント対応 | 学科(職長の役割・コミュニケーション) |
| 第2章 食品衛生 | 危害要因の3分類、一般衛生管理と5S、HACCPの12手順と7原則、フローダイアグラム、交差汚染とゾーニング | 学科と実技(判断試験)の中心 |
| 第3章 品質管理 | PDCAサイクル、食品衛生法・食品表示法・計量法の区別、官能検査・ATP検査、正規分布・標準偏差・3σ、QC7つ道具 | 学科(統計・法令)と実技 |
| 第4章 生産管理 | 生産性(産出量÷投入量)、標準時間、歩留まり、稼働率、アイドルタイム、ボトルネック工程、予防保全 | 実技(計画立案試験=計算)の中心 |
| 第5章 労働安全 | 労働安全衛生法、KY活動・KYT、ヒヤリ・ハット、ヒューマンエラーの12タイプ、リスクアセスメント | 学科と実技(判断試験) |
| 第6章 社会の変化と会社の方針 | SDGs・ESG投資・人権デューデリジェンス、フードディフェンス、食品リサイクル法・食品ロス削減推進法 | 学科(社会・コンプライアンス) |
学科の出題領域名とテキストの章は完全な1対1ではありませんが、OTAFFの試験案内には第1章と第6章がそれぞれ学科の出題グループに対応する旨の注記があり、6章のどこを削っても出題範囲に穴があく構成です。
1号試験との落差は「分量2倍・視点が別物」
1号の学習用テキストは3章構成・約80ページで「作業を正しくできるか」を扱うのに対し、2号テキストは6章・およそ2倍の分量で「なぜそうするのか」「ラインをどう改善するか」を扱います。試験形式も1号の3択・学科のみ・漢字ルビ付きから、2号では4択・学科+実技・ルビなしへと一段上がります。1号試験に合格済みの従業員でも、学習の質と量は別物と考えて計画を立てるのが安全です。
分量以上に効いてくるのが用語の壁です。テキストは巻末に13ページ分の索引が付くほど登場用語が多く、HACCP・CCP・SSOP・KYT・OJTといった略語、サルモネラ属細菌・カンピロバクター・黄色ブドウ球菌・ノロウイルス・アニサキスなどの微生物の正式名称、標準偏差や正規分布といった統計用語までが読解の前提になります。本文を読み始める前に用語暗記を先行させる。これが学習計画上の最初の分かれ道です。
出典: OTAFF 特定技能2号 学習テキスト(飲食料品製造業分野)・農林水産省 食品産業分野の特定技能2号に関するQ&A(令和8年8月作成版・PDF)
計画立案の計算は、5つの型に整理できる
実技の計画立案試験で使う計算は、テキスト第4章の事例演習に型がほぼ出そろっています。いずれも四則演算だけで解ける水準ですが、どの数値をどの式に入れるかの判断が正否を分けます。
| 計算の型 | 求めるもの | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 歩留まり | 原料に対する製品の割合(重量ベース) | 出来高を重量で見るか個数で見るかの取り違え。誤った計算の結果が選択肢に並ぶ想定で練習しておくと安全です |
| 連続工程の歩留まり | 工程ごとの歩留まりの掛け算で全体を算出 | 「不良品ゼロの工程」でも歩留まりが低いことがあり、直感と逆の答えになります |
| 生産性 | 産出量÷投入量。人時生産性・ライン生産性 | 標準時間・標準要員との比較で「何に対する生産性か」を読み分けます |
| 稼働率 | 実稼働時間÷計画稼働時間 | 原料待ちや一時停止の時間を漏れなく拾って差し引きます |
| 設備効率 | 稼働率×パフォーマンス(実際の生産速度÷標準速度) | 2つの指標の混同。掛け合わせて総合評価します |
会場に持ち込める電卓は四則演算のものに限られます(メモリー機能は1件まで)。多機能な電卓に頼れない前提で、百分率の計算や複数工程の掛け算をシンプルな電卓で素早く正確にこなす練習をしておくと確実です。数字の扱いは学科側にも顔を出します。正規分布で±3σの範囲に全データの99.7%が入ること、パレート図が改善の優先順位づけに使われることなど、「計算はしないが数字の意味を問う」テーマが品質管理の出題領域に含まれます。
練習の到達点も定めやすい試験です。テキストの事例演習は、kg・個・分といった単位付きの数値与件が3〜5個示され、答えを百分率や整数で出す形が標準で、解説は計算過程を式で順に追う構成になっています。テキストの事例を、解説を見ずに白紙から再現できるか。これを社内の仕上がり確認のチェックポイントにすると、練習の進み具合を客観的に測れます。
出典: OTAFF 飲食料品製造業分野 特定技能2号評価試験 試験概要・OTAFF 特定技能2号 学習テキスト(飲食料品製造業分野)
判断試験のシナリオと、学科の頻出テーマ
判断試験は、作業手順の知識ではなく「現場責任者としての判断」を問う設計です。学習用テキストのコラムや事例から、想定されるシナリオの類型を整理すると次のようになります。
- 体調不良者への対応 — 症状を申告せず健康チェックを通過した作業員をラインに入れてよいか。健康チェック記録の正確性という管理の論点が核になります
- 食中毒・事故の原因分析 — 事故事例から真の原因を特定します。使っていない原材料に飛びつかせない、隣接ラインからの交差汚染を見抜くなど、消去の精度が問われます
- 異物混入時の初動 — 発見品の隔離、上司への報告、原因究明、ラインの点検という対応の順序が問われます
- アレルゲンの製造順 — 同一ラインで複数製品を作る場合の、アレルゲンを含まない製品から含む製品への切り替えと洗浄の順序が論点です
- 機械保守の安全手順 — 機械内部の作業前の電源遮断、ロックアウト/タグアウトなど、労働安全の手順を図から判断します
注意したいのは、テキスト自体が「唯一の正解が簡単には決められない」状況を扱っている点です。選択肢のどれにも一長一短がある中で、記録の正確性や報告の徹底といった管理上の本質を突く訓練が要ります。出題に使われる図やイラストは、工場の動線図・温度記録表・稼働表などテキスト掲載の図表類が下敷きになると考えて準備するのが現実的です。
学科の頻出テーマを領域別に見る
HACCP関連は、12手順と7原則の構造(危害要因の分析が手順6・原則1に当たる、など)と、生物的・化学的・物理的という危害要因の3分類が基本問題の軸です。数値基準は厳密に問われるため、加熱の中心温度75℃1分以上、冷凍出荷の-18℃以下、細菌が増えやすい10〜60℃の温度帯といったテキスト記載値を、丸めずそのまま覚える必要があります。
労働安全は、KY活動(危険予知活動)とKYT、ヒヤリ・ハットとハインリッヒの法則、12タイプに分類されるヒューマンエラー、リスクアセスメントの優先度判定が柱です。品質管理では、食品衛生法と食品表示法の守備範囲の区別のような「似た法律の切り分け」も問われます。第1章・第6章のテーマは、報連相や5W1Hといった仕事の基本動作から、ハラスメント類型、SDGs・ESG投資・フードディフェンスまで、食品企業のコンプライアンス全般に広がります。現場作業の延長では対応しきれない「会社と社会」の視点が問われる領域です。
出典: OTAFF 飲食料品製造業分野 特定技能2号評価試験 試験概要・OTAFF 特定技能2号 学習テキスト(飲食料品製造業分野)
練習は本番と同じ形式で
- 試験案内・公式テキストに合わせた本番準拠の模擬試験(学科35問+実技15問・計算問題含む)
- 計画立案試験の計算公式を型で覚える対策教材
- 記憶定着アプリMonoxerで、勤務の合間に毎日少しずつ学習。インドネシア語・ミャンマー語など母語対応
その場で体験
飲食料品製造業 特定技能2号 — 実際の模試から1問
学科試験 / 1問目(全2問)
※模擬試験・教材はMonoxer GOが独自に作成した学習コンテンツであり、試験実施機関が作成・公表している公式の過去問題ではありません。
模試を1問ずつ体験してみる →試験の基本情報(詳細データ)
| 項目 | 学科試験 | 実技試験 |
|---|---|---|
| 問題数 | 35問 | 15問(判断試験・計画立案試験) |
| 試験時間 | 70分(学科・実技 通算) | |
| 合格基準 | 200点満点の65%(130点)以上 | |
| 受験形式 | CBT(試験会場のコンピュータ画面上で解答・選択肢は4択) | |
| 試験言語 | 日本語(漢字にルビは付いていません) | |
| 受験料 | 15,000円(税込) | |
| 実施機関 | OTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構) | |
合格前後の実務。当日のルールから協議会加入まで
試験当日のCBTルール
- スマートフォンは試験室に持ち込めず、ロッカーに預けます。試験室はカメラで常時監視されています
- メモを取れるのは、会場で配布されるメモ用紙または電子パッドのみです
- 途中退室は可能ですが、試験終了10分前以降は退出できません
- 不正行為が発覚した場合は、最大5年間の受験禁止措置があります
合格証書の扱い
合格証書は合格発表後、企業マイページの「受験申込み・受験状況」から受験者ごとにダウンロードして印刷できます。合格証書に有効期限は定められていないため、合格後すぐに在留資格の手続きに進めない場合でも失効の心配はありません。ただし試験実施機関での試験結果データの保存期限は10年間とされているので、証書のデータは確実に保管してください。再受験の回数そのものに制限はありません。
在留資格の申請と、2号でも残る企業側の手続き
OTAFFは「この試験に合格をしても『特定技能』の在留資格が必ずもらえるということではありません」と明記しています。合格は技能水準の証明であり、その後の在留資格変更許可申請(または在留資格認定証明書交付申請)は別途審査を経ます。審査の結果次第という前提で、在留期限に余裕を持ったスケジュールを組んでください。
受け入れ後の企業側の手続きも、2号ですべて消えるわけではありません。2号外国人を受け入れる特定技能所属機関にも食品産業特定技能協議会への加入が必要です(1号のような義務的支援はありません)。また、キャリアアッププランは2号特定技能外国人にも提示する必要があり、雇用契約の締結・更新等の前に書面を交付して説明することが求められています。内容の例としては、想定されるキャリアルート、各レベルの業務内容と習熟の目安となる年数、レベルアップに必要な経験・実績・資格などが挙げられています。長期就労が前提になる2号だからこそ、昇進と処遇のロードマップを文書で示すことが定着の実務になります。
出典: OTAFF 飲食料品製造業分野 特定技能2号評価試験 試験概要・農林水産省 食品産業分野の特定技能2号に関するQ&A(令和8年8月作成版・PDF)
よくある質問
飲食料品製造業の特定技能2号に日本語試験は必要ですか?
必要です。要領別冊(2026年8月28日一部改正)は、2号の日本語能力水準として「日本語能力試験(JLPT)N3以上(CEFRのB1相当以上と判定された場合に限る)」を挙げ、確認対象の書類にも合格証明書の写しを載せています。なお2027年4月からは、2号の日本語能力を「日本語教育の参照枠」B1相当以上で確認する形に整理される予定です(要領別冊の注記)。
飲食料品製造業2号の試験はどんな形式ですか?
学科試験35問と実技試験15問(判断試験・計画立案試験)の計50問を70分で解くCBT方式(試験会場のコンピュータ画面上で解答・選択肢は4択)です。200点満点で130点(65%)以上が合格基準です。実施機関はOTAFF(外国人食品産業技能評価機構)です。
実技試験ではどんな問題が出ますか?
図やイラストを使った状況設定で正しい行動を選ぶ「判断試験」と、所定の計算式を使って作業計画を立てる「計画立案試験」です。HACCPに沿った衛生管理、品質管理、生産性の計算など、現場リーダー級の管理知識が問われます。
特定技能2号になると家族を日本に呼べますか?
要件を満たせば配偶者と子の帯同が可能です。特定技能1号では家族の帯同は基本的に認められていないため、2号への移行で変わる大きな点の一つです。
特定技能2号に在留期間の上限はありますか?
通算の上限はありません。1号は通算で上限5年ですが、2号は3年・1年または6か月ごとの更新で、更新回数に制限がありません。ただし活動内容が分野の熟練業務に限定され、更新手続きが必要な点で永住者とは異なります。
試験対策の公式教材はありますか?
OTAFFが「特定技能2号受験者用学習用テキスト」(第3版)を公式サイトでPDF公開しています。サンプル問題は公表されていないため、公式に示された対策資料はこのテキストのみです。
試験に電卓は持ち込めますか?
四則演算の電卓のみ持ち込めます(メモリー機能は1件まで)。計画立案試験では歩留まりや稼働率の計算があるため、シンプルな電卓で速く正確に計算する練習をしておくと安心です。
合格証書に有効期限はありますか?
有効期限は定められていません。ただし試験実施機関における試験結果データの保存期限は10年間とされているため、合格証書は紛失しないよう保管してください。
技能実習の期間は実務経験2年に含められますか?
含められません。技能実習は技能等の修得を目的とした活動で、管理者相当の従事が想定されていないためです。一方、国外の日本企業などでの管理者相当の経験は、証明書を提出すれば対象になります。
執筆: Monoxer GO 編集部。掲載する事実はすべて試験実施機関・所管省庁の現行の一次資料で確認しています。
更新履歴: 2026-08-11 CBT方式(4択)と2026年度からの通年実施を確認し反映。対象事業所・実務経験の数え方・テキスト第3版の章立て・計算の型・判断試験シナリオを加筆/2026-08-06 公開