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EXAM GUIDE — 介護

介護福祉士国家試験とは(外国人材向け)
— 形式・合格基準・受験資格を1ページで

「介護に特定技能2号はないの?」— ありません。だからこそ目標は国家資格になります。試験センターの公表情報(受験の手引・過去問・正答・出題基準)を読み込み、要点をまとめました。

筆記試験

125問

5肢択一マークシート

試験時間

220分

A105分+B・C115分

合格基準

60%

難易度で補正あり

実施

年1回

筆記は毎年1月

最終更新: 2026年8月11日|出典は各セクション末尾に記載

受験前に知っておきたい4つの特徴

POINT 01介護に2号はない — 国家資格が唯一のルート

特定技能2号が無い介護分野では、介護福祉士国家試験の合格が「5年で帰国」を回避する唯一に近いルートです。合格すれば在留資格「介護」で期限なく働けます。

POINT 02合格基準は2段構え

総得点の約60%(難易度補正あり)に加えて、全ての科目群で1点以上の得点が必要です。1科目群でも0点があると総得点が高くても不合格になるため、苦手分野を残せません。

POINT 03実務経験3年+実務者研修で筆記のみ

実務経験ルート(実務経験3年以上+実務者研修修了)で受験資格が得られます。第37回から実技試験は廃止され、試験は筆記のみです。特定技能1号の従事期間も実務経験に数えられます。

POINT 04出題は13科目・3パートと広い

人間の尊厳から医療的ケアまで、出題範囲は4領域12科目+総合問題の計13科目に及びます。試験は年1回しかないため、広い範囲を計画的に回しきる学習設計が合否を分けます。

合格後の在留資格「介護」。特定技能1号と何が変わるのか

介護福祉士を目指す価値は、合格そのものよりも、合格後に変わる在留資格の中身にあります。出入国在留管理庁は在留資格「介護」の活動を「本邦の公私の機関との契約に基づいて介護福祉士の資格を有する者が介護又は介護の指導を行う業務に従事する活動」と定めており、介護に加えて「介護の指導」までが活動範囲です。付与される在留期間は5年・3年・1年又は3月の4種類。ユニットリーダーとして後輩を指導する働き方まで在留資格の枠内に収まっている点は、受入企業がキャリアパスを設計するうえで大きな意味を持ちます。

対象も広がっています。在留資格「介護」は当初、養成施設の卒業者を主な対象としていましたが、令和2年(2020年)4月1日の基準改正で、介護福祉士資格の取得ルートを問わず認められるようになりました。実務経験ルートで国家試験に合格した特定技能1号・技能実習出身の方が在留資格「介護」へ進めるのは、この改正があってこそです。

出入国在留管理庁の公表情報(在留資格「特定技能」「介護」「家族滞在」の各ページ)に基づく整理。
項目特定技能1号在留資格「介護」
在留期間法務大臣が個々に指定する期間(3年を超えない範囲)。在留できる期間は通算で原則5年以内5年・3年・1年又は3月
配偶者・子の帯同「基本的に認めない」在留資格「家族滞在」の対象(扶養を受ける配偶者又は子)
従事できる業務相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務介護又は介護の指導
前提となる試験・資格分野ごとの技能試験等介護福祉士(登録証)

家族についての違いは、在留資格「家族滞在」の定義から読み取れます。家族滞在は、入管法別表に掲げられた在留資格をもって在留する方の「扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」を対象とし、対象在留資格の一覧に「介護」が明記されています。

変更申請は「登録証」を受け取ってから

在留資格変更の段取りも押さえておきたいところです。変更申請の提出書類には「介護福祉士登録証(写し)」と、労働基準法に基づいて労働者に交付される労働条件を明示する文書が含まれます。国家試験の合格発表後、まず介護福祉士の登録手続きを済ませて登録証の交付を受け、そのうえで在留資格変更許可申請へ進む流れです。労働条件を明示する文書は雇用主が交付するものなので、本人任せにせず企業側でも書類の準備を把握しておくとスムーズです。なお、特定技能1号で義務付けられている支援(登録支援機関への委託を含む支援体制)は、在留資格「介護」への移行後は義務としては不要になります(任意で母語での相談対応などを続ける企業もあります)。

出典: 出入国在留管理庁 在留資格「介護」・出入国在留管理庁 在留資格「家族滞在」

出題範囲・実務経験・申込の段取り

年1回しかない試験です。だからこそ、出題の全体像・受験資格・申込日程の3点は、最初に正確に押さえてください。

13科目と3つのパート

筆記試験の出題は、4つの領域にまたがる12科目に、全領域を横断する「総合問題」を加えた計13科目です。第38回(2026年1月)からは、この13科目を3つのパート(A・B・C)に分けて判定する「パート合格」の仕組みが導入されました。

配点は1問1点で、Aパート60点・Bパート45点・Cパート20点の計125点満点(第39回)。科目別の出題数は第38回(2026年1月)の実績です。第39回の試験時間は、全パートを受験する場合でAパート10時00分〜11時45分、B・Cパート13時40分〜15時35分(不合格パートのみの受験は別時間)。
パート領域科目出題数(第38回実績)
A(午前)人間と社会人間の尊厳と自立2問
A(午前)介護介護の基本10問
A(午前)人間と社会社会の理解12問
A(午前)人間と社会人間関係とコミュニケーション4問
A(午前)介護コミュニケーション技術6問
A(午前)介護生活支援技術26問
B(午後)こころとからだのしくみこころとからだのしくみ12問
B(午後)こころとからだのしくみ発達と老化の理解8問
B(午後)こころとからだのしくみ認知症の理解10問
B(午後)こころとからだのしくみ障害の理解10問
B(午後)医療的ケア医療的ケア5問
C(午後)介護介護過程8問
C(午後)全領域総合問題(4事例×3問・事例形式)12問

合格基準点を満たしたパートは、合格した最終年から2年間、受験が免除されます。初めて受験する場合は全パートでの申し込みですが、2回目以降は不合格だったパートだけを受け直すことができます(不合格パートのみの受験は第39回から適用。受験手数料は全パート受験と同額です)。年1回の試験を一発勝負から複数年の積み上げに変えられる仕組みで、学習計画の立て方にも直結します。

合否は、総得点の60%程度を基準に難易度で補正した「合格基準点」以上の得点に加えて、11の試験科目群すべてで得点していることが条件です。出題数は生活支援技術の26問から人間の尊厳と自立の2問まで科目間の差が大きい一方、どの科目群も0点にはできないため、配点の大きい科目に絞る学習では合格できません。全科目に薄く広く触れ続ける計画が前提になります。

パート合格は在留管理の面でも意味を持ちます。受験の手引に掲載された厚生労働省の資料(令和8年1月21日付社援発0121第10号)によると、特定技能の在留期間(通算5年)の経過直前の試験で全パートを受験し、1パート以上の合格と総得点が合格基準点の8割以上などの要件を満たした方は、最長1年間の在留期間延長が可能とされています。要件には、翌年度の受験の誓約に加えて、特定技能所属機関(受入企業)が本人とともに学習計画を作成し厚生労働省へ提出することが含まれます。

実務経験3年の数え方と証明書類

実務経験ルート(区分2)の要件は、実務経験3年以上(従業期間1095日以上かつ従事日数540日以上)を満たし、実務者研修を修了していることです。従業期間は対象となる施設・職種での在職期間で、産休・育休・病休などの期間も含みます。一方の従事日数は、実際に介護等の業務に従事した日数で、休暇・欠勤・出張・研修などで従事しなかった日は除きます。在職が3年に達していても従事日数が540日に満たないことがあり得るため、申込前に勤怠実績での確認が必要です。

在留資格「特定技能1号」や「技能実習」で就労している外国籍の方は、この区分2(実務経験ルート)での受験になります。従業期間・従事日数と実務者研修は、試験実施年度の3月31日(第39回は2027年3月31日)までに満たす見込みであれば、「見込み」として申し込むことができます。なお、第37回(2025年1月実施)から実技試験は廃止されており、試験は筆記のみです。

勤務先が作成する主な証明書類

  • 実務経験(見込)証明書 — 勤務先の施設・事業所が作成します。受験の手引には、本人が事業所に作成を依頼するための「作成依頼書」の様式が用意されています
  • 従事日数内訳(見込)証明書 — 複数の事業所を掛け持ちしている場合に、事業所ごとに必要です
  • 実務者研修修了(見込)証明書 — 研修の実施機関が発行します

派遣で就労している場合の実務経験は、派遣先の運営主体・派遣元の人材派遣会社のどちらでも証明できます(運営主体が証明できない場合は派遣元が証明)。実務経験として認められる施設・事業・職種の範囲は厚生労働省の通知で定められているため、自社の事業や本人の職種が対象に該当するか不明な場合は、申込前に試験センターが公表している「実務経験の範囲」での確認が必要です。

申込から結果発表までの流れ

受験申込は年1回で、受験者本人が試験センターの「インターネット受験申し込み」から手続きします。第39回(筆記試験2027年1月31日)の公表日程をもとに、受入企業側で押さえておきたい流れを整理します。

日程は回ごとに試験センターが公表します。下記は第39回の公表スケジュールで、翌回以降は必ず最新の案内をご確認ください。受験手数料は全パート受験・不合格パートのみの受験のどちらも同額で、申込受付後は返還されません。
時期(第39回)手続き・内容
2026年7月22日〜9月2日受験申込の受付(インターネット受験申し込み)。受験手数料20,510円の支払い期限も9月2日(厳守)。障害等のある方の受験上の配慮申請もこの期間内のみ
2026年12月11日受験票の発送(受験申込書に記載された本人の現住所へ郵送)
2027年1月31日(日)筆記試験。全国35試験地(都道府県単位)から1か所を選択(試験会場の指定は不可。現住所と別の都道府県でも可)
2027年3月23日 14時合格発表。試験センターのホームページに合格者の受験番号を掲載。合格基準点・正答も同日公表
2027年3月26日結果通知の発送。総得点、各科目群の得点と無得点科目群、パートごとの試験結果・受験免除の有効期限などが通知されます
2027年4月9日(消印有効)「見込み」で受験した方の確定した証明書の提出期限。提出がない場合、試験は無効となり結果通知も発送されません

区分2(実務経験ルート)の申込では、実務経験(見込)証明書と実務者研修修了(見込)証明書の提出が必要です(掛け持ち勤務がある場合は従事日数内訳(見込)証明書も必要)。証明書の作成には勤務先の対応が要るため、約6週間の受付期間に間に合うよう、社内の発行フローを先に確認しておくと確実です。

外国籍の受験者は、申込書類の一つ「外国籍等確認書類貼付用紙」で希望すれば、全ての漢字にふりがなを付けた問題用紙の使用と、通常の1.5倍の試験時間で受験できます(別途申請が必要)。特定技能1号または技能実習で就労している方も、この用紙を提出します。受験環境を大きく左右するため、申込の段階で本人の希望を確認しておきたいポイントです。

手続きの名義は受験者本人で、受験票や結果通知もすべて本人の現住所宛てに郵送されます。企業がまとめて代行申込できる手続きは、受験の手引では確認できませんでした(2026年8月時点)。受入企業側の実務は、証明書類の作成対応と、年1回の受付期間を逃さないための声かけ・進捗確認が中心になります。

出典: 社会福祉振興・試験センター「第39回介護福祉士国家試験『受験の手引』」(PDF)・同「令和8年度 第39回試験」・同「実務経験+実務者研修」

合格基準を読み解く。11科目群とパート別合格

合否条件の1つである「全ての科目群で得点」の科目群は、13科目を1つずつ数えるのではなく、試験センターが合格基準として公表している11の括りを指します。2組の科目はペアで1つの群として扱われるため、出題数の少ない科目の0点がただちに不合格につながるかどうかは、その科目がどの群に属するかで変わります。

科目群の区分は試験センター「合格基準」ページの公表による。出題数の計は、本ページ掲載の第38回実績を科目群単位で合算したもの。
科目群(構成科目)出題数の計属するパート
人間の尊厳と自立 + 介護の基本12問A
人間関係とコミュニケーション + コミュニケーション技術10問A
社会の理解12問A
生活支援技術26問A
こころとからだのしくみ12問B
発達と老化の理解8問B
認知症の理解10問B
障害の理解10問B
医療的ケア5問B
介護過程8問C
総合問題12問C

ペアで1つの群になるのは「人間の尊厳と自立+介護の基本」と「人間関係とコミュニケーション+コミュニケーション技術」の2組だけで、残る9科目はそれぞれ単独の群です。出題2問の「人間の尊厳と自立」は12問の群の一部として判定されるためリスクが緩和される一方、「医療的ケア」は5問だけで1つの群。この5問を全て落とすと総得点がどれだけ高くても不合格になるため、出題数の少ない単独群(医療的ケア5問・介護過程8問・発達と老化の理解8問)こそ捨て科目にできません。

合格基準点の側も固定ではありません。公表された合格基準では、第36回が67点、第37回が75点と、回によって8点の幅で実際に動いています。125点の60%ちょうどを最低ラインと見るのではなく、補正でどちらに動いても耐えられる得点力を目標に置くのが安全側の計画です。

パート別合格の判定はどう行われるか

パート合格の判定は、全体の合否とは別建てで行われます。試験センターの合格基準ページは、パートごとに判定を行い、すべてのパートごとの合格基準を満たした者(パート合格の有効期限内の者に限る)を合格者とすると定めており、各パートの基準は「総得点の60%程度を基準に難易度で補正した合格基準点以上の得点」と「パートを構成する試験科目群すべてで得点があること」の2つです。1回の受験で全体合格を狙いながら、届かなかった場合も仕上がったパートの合格(翌年・翌々年まで受験免除)を持ち帰れる建て付けです。パート単位の判定にも科目群の0点条件が付いている点は、見落とされがちです。

科目群とパートの対応を突き合わせると、Aパートに4つ、Bパートに5つ、Cパートに2つの群が収まっており、複数科目で構成される2つの群はどちらもAパート内で完結しています。パート単位で学習計画を立てる場合も、この群の切れ目がそのまま「0点を作ってはいけない単位」になります。

複数年計画は「翌々年まで」の期限から逆算する

免除の期限を具体化すると、例えば第38回でAパートに合格した場合、免除が効くのは第39回と第40回までで、第40回までにB・Cパートを揃えられなければ、第41回はAパートを含めて受験のやり直しになります。実質的には「最初のパート合格から3回の試験以内に全パートを揃える」ことが計画上の締め切りです。

2回目以降の申込は、合格済みを含めた全パートで受け直すか、不合格パートのみを受験するかの選択制です。ただし不合格パートが複数あるときに、そのうち1つだけを選んで受験することはできません。「今年はBパートだけ仕上げる」という受け方は制度上できないため、不合格パートが2つ残った年は、その両方を同時に仕上げる学習量が必要になります。パート合格は途中経過を保存する仕組みであって、それ自体が資格に直結するわけではありません。社内の資格取得支援でも「期限付きの貯金」として扱うのが実態に合っています。

出典: 社会福祉振興・試験センター「合格基準」・同「パート合格の導入について」

受験資格の全体像。4つのルートと実務者研修

介護福祉士国家試験の受験資格は、試験センターの案内で大きく4つのルートに整理されています。就労中の外国人材の受験に直接関わるのは実務経験ルートですが、留学生の採用や養成施設との連携を検討する場面では他のルートが前提になるため、全体像を一覧にしておきます。

区分の詳細は試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」による。
ルート主な対象受験資格の骨子
養成施設ルート介護福祉士養成施設(専門学校等)の卒業者指定の学校・養成施設で必要な知識・技能を修めて卒業
実務経験ルート働きながら資格を目指す方実務経験3年以上+実務者研修の修了(詳細は上の「実務経験3年の数え方」のとおり)
福祉系高校ルート福祉系高校で所定の科目を履修した卒業者所定科目の履修+卒業(入学年度により要件が異なる)
EPAルート経済連携協定(EPA)に基づく介護福祉士候補者EPAに基づき来日した候補者としての就労・研修(詳細は試験センターの案内を参照)

養成施設ルートには経過措置があります。養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は国家試験を受験しなくても(または合格しなくても)介護福祉士になることができますが、令和9年度以降に卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。養成施設経由の留学生を採用している企業にとっては、「卒業すれば資格」という前提が使えなくなる切り替わりで、国家試験対策の必要性は養成施設ルートにも及びます。

実務者研修とは。原則450時間、働きながらの修了が前提

実務者研修は、実務経験3年と並ぶ実務経験ルートのもう1つの要件で、カリキュラムは原則450時間です。ただし他の研修を修了している場合は履修済み科目が免除され、厚生労働省の資料では、介護職員初任者研修の修了者は320時間、旧・介護職員基礎研修の修了者は50時間まで短縮されると整理されています。同資料は「450時間全てを受講する必要のある者は少なく、320時間の受講が平均的な姿」としています。

受講形態も、働きながらの修了を前提に設計されています。同資料によれば、実務者研修の総定員約53万人のうち通信課程の定員は約51万人(約9割・平成30年4月現在)で、平均的な320時間の受講パターンとして通信授業275時間+面接授業45時間という構成が示されています。面接授業の内容には医療的ケアの演習が挙げられており、たんの吸引などの演習は通学が必要です。

費用と人繰りの支援策も同じ資料に明記されています。受講費用には上限20万円の貸付制度があり(実施主体は都道府県または都道府県が適当と認める団体)、修了後に介護福祉士として2年間継続して従事すると返済が全額免除されます。受講者がシフトを抜ける間の代替要員の雇上げ経費は、地域医療介護総合確保基金による支援(国費補助率2/3)の対象です。費用を理由に受講を先送りする前に、都道府県の窓口で利用できる支援を確認する価値があります。

受入企業側の実務は、実務経験3年の充足時期と実務者研修の修了時期を並べた逆算管理です。研修修了が申込年度に間に合わなければ、そのまま受験年度の遅れになります。この逆算だけは、企業側が主導して確認しておいてください。

出典: 社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」・厚生労働省「実務者研修の受講支援」資料(PDF)

第36〜38回の過去問を読み込んで見えた出題の設計

当社は模試の制作にあたり、試験センターが公表している第36回〜第38回の過去問PDF・正答・出題基準を全問レベルで読み込み、形式と語彙を分析しています。その実測から、学習計画の設計に直結する傾向だけを抜き出します。

出題の半分近くが「事例問題」

第36回の125問を分類すると、約48%が「Aさん(76歳、女性、要支援1)は、一人暮らしである。」(第36回・問題1)のように具体的な人物設定から始まる事例問題でした。人物設定(年齢・性別・要介護度など)、状況の描写、設問という3層構造が定型で、知識の暗記だけでは足りず、状況を読んで知識を当てはめる力が問われます。事例形式の集大成である総合問題は事例文が200〜400字あり、読む時間が必要なため、試験全体の単純平均(1問2分弱)よりも厚めの時間配分が要ります。

設問文の言い回しに意味がある

設問の末尾は「最も適切なものを1つ選びなさい」「適切なものを1つ選びなさい」「正しいものを1つ選びなさい」の3種類が使い分けられています。「最も適切」型は状況依存で、誤答の選択肢も別の文脈なら正しいことがある、という作りが特徴です。介護福祉職の発言をそのまま選ばせる「セリフ選択」型や、複数の重要情報から「最も優先すべきもの」を選ばせる型もあり、いずれも日本語のニュアンスの読み分けがそのまま得点を左右します。

語彙は専門用語の壁が高い。ただし助けもある

出題語彙にはJLPT N1の範囲を超える専門用語が頻出します。疾患名(変形性膝関節症、誤嚥性肺炎など)、制度名(小規模多機能型居宅介護など長い複合名詞)、体位や介助の用語(仰臥位・側臥位など)が典型です。一方で公式の問題用紙には表記上の助けもあります。疾患名には英訳が併記され(例: 変形性膝関節症 (knee osteoarthritis))、読みにくい医学用語には部分的にふりがなが付き、法律の略称には末尾の注で正式名称が示されます。

制度の数値を直接問う問題も毎回出ています。第36回では居宅介護住宅改修費の支給限度基準額(20万円)を5つの金額から選ばせる問題が出題されました。人名と理論を結びつける問題(マズローの欲求階層説、ノーマライゼーションの提唱者など)も定番で、この2種類は「知っていれば取れる、知らなければ推測が効かない」問題群として、暗記学習の投資対効果が最も高い領域です。

図や写真はほぼ出ない

第36回の125問のうち図が使われたのは、洪水警戒のピクトグラムが出た1問だけでした。第37回・第38回の確認でも、写真やイラストに依存する出題は確認できていません(2026年8月時点)。見た目の資料を読み解く試験ではなく、日本語のテキストを速く正確に読む試験です。対策の重心もそこに置くのが、過去問の実態に合った配分です。

出典: 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」(過去の試験問題・正答)

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※模擬試験・教材はMonoxer GOが独自に作成した学習コンテンツであり、試験実施機関が作成・公表している公式の過去問題ではありません。

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試験の基本情報(詳細データ)

項目内容(筆記試験)
問題数・配点125問(1問1点・125点満点)
試験時間計220分(第39回・全パート受験: Aパート105分+B・Cパート115分)
出題形式5肢択一のマークシート方式
合格基準総得点の約60%を基準に難易度で補正した点数以上、かつ全科目群で得点があること。第38回からパート合格制(合格パートは合格した最終年から2年間受験免除)
出題範囲13科目(4領域12科目+総合問題)・3パート(A・B・C)
実施時期年1回(筆記は毎年1月)
受験資格(実務経験ルート)実務経験3年以上+実務者研修修了(第37回から実技試験は廃止・筆記のみ)
受験料20,510円(第39回)
実施機関公益財団法人社会福祉振興・試験センター

出典: 社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」

よくある質問

介護分野に特定技能2号はありますか?

ありません。介護分野で長く働くルートは、介護福祉士国家試験に合格して在留資格「介護」へ移行することです。在留資格「介護」は在留期間の更新に上限がなく、家族帯同も可能です。

介護福祉士国家試験の合格基準は?

2つの条件を両方満たす必要があります。(1) 総得点125点の約60%を基準に問題の難易度で補正した点数以上を得点すること、(2) 全ての科目群で得点すること(1つでも0点の科目群があると不合格)。筆記試験は年1回、毎年1月に実施されます。また第38回からパート合格制(A・B・C)が導入され、合格基準点を満たしたパートは合格した最終年から2年間、受験が免除されます。

特定技能1号から介護福祉士を受験できますか?

できます。実務経験3年以上と実務者研修の修了により受験資格が得られます。第37回(2025年1月実施)から実技試験は廃止されており、試験は筆記のみです。特定技能1号としての介護業務の従事期間も実務経験に含まれます。

実務者研修は働きながらでも修了できますか?

修了できるよう制度が設計されています。厚生労働省の資料では、働きながらの受講を前提に、他研修修了者の科目免除(原則450時間が介護職員初任者研修の修了者は320時間)や通信課程の活用が整理されており、実務者研修の定員の約9割が通信課程です(平成30年4月現在)。医療的ケアの演習など一部は通学(面接授業)が必要です。

パート合格だけで介護福祉士の資格は取れますか?

パート合格は、合格したパートの受験が翌年・翌々年まで免除される仕組みです。国家試験の合格者となるのは、有効期限内にすべてのパートで合格基準を満たしたときで、資格の取得(登録)には全パートの合格が必要です。

養成施設ルートなら国家試験を受けなくてもよいのですか?

経過措置の期間中に限られます。試験センターの案内では、養成施設を令和8年度末までに卒業する方は、卒業後5年の間は国家試験を受験しなくても介護福祉士になることができますが、令和9年度以降に卒業する方からは、国家試験に合格しなければ介護福祉士になることはできません。

合格した後、在留資格「介護」への変更には何が必要ですか?

出入国在留管理庁の案内では、申請書類に介護福祉士登録証(写し)と、労働基準法に基づいて労働者に交付される労働条件を明示する文書が含まれています。合格発表の後に介護福祉士の登録手続きを済ませ、登録証の交付を受けてから在留資格変更許可申請に進む段取りです。

在留資格「介護」で呼べる家族の範囲は?

扶養を受ける配偶者と子が在留資格「家族滞在」の対象です。入管法別表の定義で、家族滞在の対象となる在留資格の一覧に「介護」が明記されています。

EPAルートとはどんな受験資格ですか?

経済連携協定(EPA)に基づいて介護福祉士候補者として来日した方のための受験資格ルートです。特定技能や技能実習とは別の公的な受入れ枠組みで、要件の詳細は試験センターの受験資格の案内で確認できます。

執筆: Monoxer GO 編集部。掲載する事実はすべて試験実施機関・所管省庁の現行の一次資料で確認しています。

更新履歴: 2026-08-11 第39回の制度変更(受験料20,510円・パート合格制・試験時間・実技廃止)を確認し反映。在留資格「介護」・科目群とパート別合格・受験資格ルート・過去問実測分析を加筆/2026-08-06 公開

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