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特定技能の5年後、どうしますか — 帰国か、2号か

執筆: Monoxer GO 編集部(モノグサ株式会社)|公開 2026年8月12日|約10分で読めます|最終確認日 2026年8月12日

結論

  1. 特定技能1号の在留は通算5年まで。5年たつと、そのままでは働き続けられません。
  2. 上限を外す方法があります。特定技能2号への移行です(介護分野は介護福祉士国家試験)。2号に在留期間の通算上限はなく、家族帯同も可能になります。
  3. 移行には技能試験・実務経験・在留資格の審査で1年以上かかることがあります。期限の2年前から逆算するのが現実的です。
目次(8項目)
  1. 1. 「通算5年」の正確な中身
  2. 2. 5年のあと、道は実質3つ
  3. 3. 2号に移行すると何が変わるのか
  4. 4. 2号移行の逆算スケジュール
  5. 5. 逆算でよくある3つの誤算
  6. 6. 分野別・2号ルートの早見表
  7. 7. 会社として、何から始めるか
  8. 8. 2号試験の実物を1問だけ

「通算5年」の正確な中身

特定技能1号の在留期間は、通算で5年が上限です。出入国在留管理庁の制度資料では「通算5年まで(妊娠・出産・育児等やむを得ない事情で就労できなかった期間を除く。相当の理由がある場合は6年)」と整理されています。転職しても通算は続きます。「あと何年働けるか」は、いまの在留カードの期限ではなく、1号として在留した期間の合計で決まる点に注意してください。

この5年を、単なる制度の話と受け取るか、自社の要員計画の締め切りと受け取るかで、その後の打ち手が変わります。現場の中核になった人材ほど、期限は早くやってきます。

5年のあと、道は実質3つ

期限が近づいたとき、企業と本人が取れる道を並べると、実質的には次の3つに絞られます。

→ 図は横にスクロールできます

特定技能1号・通算5年のあとの3分岐特定技能1号在留は通算5年まで(相当の理由がある場合6年)特定技能2号へ移行技能試験合格 + 現場管理の実務経験更新に上限なし家族帯同も可能に介護福祉士国家試験に合格介護分野のルート(2号が無いため)在留資格「介護」更新の上限なしどちらもしなければ、帰国採用・育成の投資がゼロに戻る
特定技能1号の通算5年が近づいたとき、取れる道は実質3つ※ 介護分野には特定技能2号がありません。介護のルートは介護福祉士国家試験→在留資格「介護」です。出典: 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新)
  • ① 特定技能2号へ移行する — 在留期間の更新に回数制限がなくなり、要件を満たせば配偶者・子の帯同も可能。受入れ見込数(上限)の設定もありません
  • ② 介護分野は、介護福祉士国家試験に合格して在留資格「介護」へ — 介護には特定技能2号が無いため、これが長期就労の唯一に近いルートです
  • ③ どちらもしなければ、帰国 — 採用費・育成にかけた投資と、現場が頼っていた戦力がゼロに戻ります

「1号→2号」の説明は介護分野には当てはまりません。介護に特定技能2号は無く、ルートは介護福祉士国家試験です。詳しくは別記事「介護に特定技能2号はありません」で整理しています。

2号に移行すると何が変わるのか

制度上の違いを1号と並べます。企業側の実務に効くのは在留期間だけではありません。

項目特定技能1号特定技能2号
在留期間通算5年まで3年・2年・1年又は6か月ごとの更新(回数制限なし)
家族の帯同基本的に認めない要件を満たせば可能(配偶者・子)
支援計画受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象支援の対象外(義務としては不要に。任意で続ける企業もあります)
受入れ見込数(上限)分野ごとに設定あり設定なし

出典: 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(令和8年7月1日更新・2026年8月11日確認)。

在留者数で見ると、1号の404,527人に対して2号は12,420人(いずれも令和8年3月末・速報値)。2号はまだ少数派です。裏を返せば、いま2号育成に動く会社は、他社が「5年で入れ替える採用」を繰り返している間に、経験5年超の管理級人材を保持し続けられるということでもあります。

受入れ枠の観点も見逃せません。外食業では1号の在留者数が受入れ見込数に近づき、2026年4月13日以降の新規申請は原則受け付けられなくなりました。1号の「補充」が制度側の事情で止まり得る一方、2号にはそもそも上限の設定がありません。

2号移行の逆算スケジュール

移行に必要なのは大きく3つ。技能試験の合格、現場を管理する実務経験、そして在留資格変更許可申請です。それぞれに時間がかかります。なお2026年8月20日以降の在留諸申請では、業務内容の誓約書(参考様式第1-32号)も要ります(「特定技能2号の申請に『業務内容の誓約書』が必要になりました」)。

  • 技能試験 — 分野別の2号試験に合格する(外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングはさらにJLPT N3以上が必要。JLPTは年2回しかありません)
  • 実務経験 — 複数の作業員・技能者を指導しながら現場を管理した経験(分野で定義と年数が違う。建設は班長として0.5〜3年、外食・飲食・ビルクリは2年)
  • 在留資格変更許可申請 — 標準処理期間は1〜2か月。手数料は許可時に6,000円(オンライン申請は5,500円)

実務経験は「これから積ませる」なら年単位の時間が要ります。試験も、不合格なら再受験までの待機期間(例: OTAFFの試験は45日)が挟まります。期限の2年前に受験者を決め、役割付与(指導的ポジション)と学習を同時に始める。これが余裕を持てる標準的な逆算です。

救済措置もあります。在留期間の満了日までに2号への変更申請の書類が揃わない場合、移行に必要な試験に合格済みであること等を条件に、「特定活動(6月・就労可)」への変更が認められることがあります(出入国在留管理庁の案内による)。ただしこれは「試験には受かっている」ことが前提の措置です。試験そのものが間に合っていない場合を救うものではありません。

逆算でよくある3つの誤算

計画を立てた企業がつまずきやすいのは、試験の中身より段取りです。私たちが試験実施機関の現行資料を確認するなかで見えてきた、見落とされがちな3点を挙げます。

  • ① 実務経験を「証明できない」— 経験はあるのに、指導的役割をいつから担ったかを示す記録(辞令・職務命令・業務日報など)が無いケース。建設はCCUSの就業履歴、飲食料品製造は役職発令の文書化が、そのまま申請書類の裏付けになります。受験を見据えるなら記録は今日から
  • ② JLPTを後回しにする — 外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングの2号はJLPT N3以上が要件です。技能試験は日時を選んで予約できますが、JLPTは年2回(2026年は7月5日・12月6日)で、結果が出るまで約2か月。1回逃すと半年単位でずれます。この3分野は、JLPTの日程を先にカレンダーへ固定してください
  • ③ 再受験の待機を見込まない — 不合格の場合、OTAFFの試験は45日間空ける必要があり、建設にも受験間隔の制限があります。介護福祉士国家試験に至っては年1回。初回受験を「1回落ちても間に合う」時期に置くのが安全側の設計です

分野別・2号ルートの早見表

試験の形式は分野でまったく違います。詳細は各分野の試験解説にまとめてあるので、自社の分野のページから受験計画に入ってください。

分野試験実務経験解説ページ
建設学科40問+実技25問・CBT・75%班長として0.5〜3年(職種による)建設の試験解説
外食業学科35問+実技20問・CBT 3択・65%+JLPT N3指導等実務経験2年外食業の試験解説
飲食料品製造業学科35問+実技15問・CBT 4択・65%管理者相当2年(試験前日までに充足)飲食料品製造の試験解説
ビルクリーニング学科50問+実技10問・筆記(論述あり)・65点現場を管理する経験2年ビルクリーニングの試験解説
介護介護福祉士国家試験(筆記125問・年1回)実務経験3年+実務者研修介護福祉士国家試験の解説

各試験の数値は試験実施機関の現行資料で確認(2026年8月11日時点)。詳細・出典は各解説ページに記載しています。

いま何分野がどれだけ埋まっているかは、充足率一覧(公式値・毎月更新)で確認できます。

会社として、何から始めるか

最初の一歩は、対象者の「残り期間」と「経験の中身」の棚卸しです。通算の在留期間があと何年か。指導的な役割をいつから担っているか(実務経験の起算点になります)。この2つが分かれば、受験時期はほぼ自動的に決まります。

そのうえで学習です。2号試験の難しさの正体は、読解力ではなく専門用語と手順の記憶量にあります(公式サンプル問題を全問分析した結果は各試験解説に書きました)。働きながら合格に届くかは、毎日の少しずつの学習を続けられる仕組みがあるかで決まります。私たちは記憶定着アプリMonoxerと、記憶度などの学習ログにもとづく伴走で、この「続ける」部分を会社ぐるみで支える合格プログラムを提供しています。

出典

  • 出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」(1号通算5年・2号の更新/家族帯同/支援/受入れ見込数・令和8年7月1日更新・PDF・2026年8月11日確認)
  • 出入国在留管理庁 特定技能関係の特定活動(「特定技能2号」への移行を希望する場合・2026年8月12日確認)
  • 出入国在留管理庁 在留資格変更許可申請(標準処理期間・手数料・2026年8月11日確認)
  • 出入国在留管理庁 特定技能「外食業分野」における受入れ上限の運用について(2026年8月11日確認)
  • 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」(令和8年3月末速報値・PDF・2026年8月11日確認)

2号試験の実物を1問だけ

「5年後の話」を具体的にする一番の近道は、試験の実物を見ることです。下は建設2号の模擬試験からの抜粋で、実技は本番と同じく写真から答えます。その場で正誤が出ます。

その場で体験

建設 特定技能2号 — 実際の模試から2問(実技は写真つき)

学科試験 / 1問目(全2問)

建設けんせつ工事こうじの施工せこう体制たいせいで、発注者はっちゅうしゃと直接ちょくせつ契約けいやくし、工事こうじ全体ぜんたいを取りまとめるとりまとめる会社かいしゃを何なんというか。

よくある質問

Q.特定技能1号の5年は、どう数えますか?

1号として在留した期間の通算です。転職しても通算は続きます。妊娠・出産・育児等やむを得ない事情で就労できなかった期間は除かれ、相当の理由がある場合は6年までとされています(出入国在留管理庁の制度資料による)。

Q.5年を過ぎたら、もう日本で働けないのですか?

特定技能1号としては働けません。特定技能2号へ移行すれば在留期間の更新に回数制限はなくなります。介護分野は2号が無いため、介護福祉士国家試験に合格して在留資格「介護」へ移行するルートです。

Q.2号への移行はどれくらい前から準備すべきですか?

期限の2年前が現実的です。技能試験の合格に加えて、複数の作業員を指導しながら現場を管理した実務経験(分野により0.5〜3年)が必要で、在留資格変更許可申請の標準処理期間1〜2か月も挟まります。実務経験をこれから積ませる場合は、さらに前倒しが必要です。

Q.書類が期限に間に合わない場合はどうなりますか?

移行に必要な試験に合格済みであること等を条件に、「特定活動(6月・就労可)」への在留資格変更が認められることがあります。2号で就労予定の受入れ機関で働きながら移行準備ができる措置ですが、試験に受かっていることが前提です。

Q.2号になると家族を呼べますか?

要件を満たせば配偶者と子の帯同が可能です。1号では家族の帯同は基本的に認められていないため、本人の定着意向に大きく影響する変化です。

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目次

  1. 1. 「通算5年」の正確な中身
  2. 2. 5年のあと、道は実質3つ
  3. 3. 2号に移行すると何が変わるのか
  4. 4. 2号移行の逆算スケジュール
  5. 5. 逆算でよくある3つの誤算
  6. 6. 分野別・2号ルートの早見表
  7. 7. 会社として、何から始めるか
  8. 8. 2号試験の実物を1問だけ

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