特定技能2号の試験に落ちたら — 1号を6年目まで延ばす取扱いと、会社が提出する書類
2号の試験で合格基準点の8割まで届いていれば、1号のまま1年延ばせる場合があります。受からなければ帰国すると、本人が約束したうえでの1年です。

先に答え
- 特定技能2号の試験に不合格でも、移行に必要なすべての試験で合格基準点の8割以上の得点を取っていれば、特定技能1号のまま通算6年まで在留が許可される場合があります(出入国在留管理庁「通算在留期間」)。
- 通算6年までの在留には点数のほかに本人の誓約と、会社が引き続き雇用する意思と、合格に向けた指導体制が必要で、相当の理由があると出入国在留管理庁が認めたときに限り許可されます(同庁「通算在留期間」)。
- 通算6年までの在留の申請は、1号の通算5年が満了する概ね3か月前に行います(出入国在留管理庁「通算在留期間」)。
たとえば、通算5年の満了まで残り半年で、2号の技能試験に落ちた。点数は合格点に少し届かなかった。そうした場合の扱いは、出入国在留管理庁の「通算在留期間」のページにある、「特定技能2号評価試験等に不合格」の項目に書かれています。
特定技能2号に不合格でも通算6年まで延長できる条件
条件は3つあります。点数、本人の誓約、会社の体制です。
1 起点
2号の試験に不合格になった
2 点数
移行に必要な全ての試験で、合格基準点の8割以上を取っている
いいえ → この取扱いの条件を満たさない
3 本人と会社
本人が誓約し、会社が引き続き雇う意思と、合格に向けた指導・研修・支援等の体制を持つ
4 許可
相当の理由があると認められたときに限り許可され、6年目に受験する(上限は通算6年)
6年目の受験の結果
合格
速やかに2号へ変更申請(介護は「介護」へ)
合格できなかった
速やかに帰国
前提は点数です。2号の試験に落ちた人が1号のまま6年目に進むには、移行に必要なすべての試験で合格基準点の8割以上が必要です。そのうえで本人が誓約し、会社が雇用の継続と指導の体制を示して申請し、許可された6年目に受かれば2号へ変更申請、受からなければ速やかに帰国します。
| 要件 | 中身 |
|---|---|
| (1) 点数 | 分野別運用方針が定める、2号への移行に必要な全ての試験等で、合格基準点の8割以上を取っている |
| (2) 本人の誓約 | 次の4つを誓約する。①8割以上を取った試験の合格に向けて励み、受験する。②合格したら速やかに「特定技能2号」(介護は「介護」)へ変更申請する。③合格できなかったら速やかに帰国する。④申請の時点で出国しているなら、出国日から1年以内に入国する |
| (3) 会社(特定技能所属機関) | 本人を引き続き雇用する意思がある/2号の試験の合格に向けた指導・研修・支援等を行う体制を持つ |
上限は通算6年。出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年9月24日確認)。
8割は、合格基準点に対する割合です。例)合格基準点が70点の技能試験なら、56点以上。8割以上を取ったことが、結果通知書などの資料で確認できる場合に限ります。
どの結果通知書が使える?
使える結果通知書は、分野ごとに発行日や受験日で区切られています。要件(1)の文面は受験日を問いませんが、8割以上を示す資料として使える通知書には、この日付の制限があります。古い回の通知書は、対象外になることがあります。先に日付を見てください。
| 分野 | 8割以上が必要な試験 | 対象になる通知書 |
|---|---|---|
| 建設 | 建設分野特定技能2号評価試験 | 受験日が2025年12月1日以降のもの(技能検定1級は「現在検討中」) |
| 外食業 | 外食業特定技能2号技能測定試験と、日本語能力試験(N3以上)の両方 | 技能測定試験は発行日が2025年6月30日以降のもの |
| 飲食料品製造業 | 飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験 | 発行日が2025年6月30日以降のもの |
| ビルクリーニング | 2号評価試験、または技能検定1級のどちらか | 評価試験は発行日が2025年7月31日以降、1級は2026年3月31日以降のもの |
| 介護 | 介護福祉士国家試験 | 厚生労働省の「パート合格…通算在留期間の延長に係る結果確認通知書」も添える |
入管の表の12分野から5分野を抜粋。漁業にも日本語能力試験(N3以上)の欄があります。自動車整備士技能検定2級と航空従事者技能証明は、通算6年の取扱いの対象になる予定がないとされています。出典:出入国在留管理庁「通算在留期間」の「結果通知書の確認方法」(2026年9月24日確認)。
日本語能力試験の「合格基準点の8割」は総合得点で見ます。入管のページにある結果通知書のサンプルでは、N3なら合格基準点95点の8割の76点以上で、区分ごとの得点では判断しません。飲食料品製造業とビルクリーニングは、分野ごとの運用要領別冊で、2号に日本語能力試験N3以上を求めています(2027年4月1日以降・取扱いは別途お知らせ)。語学力の国際的な物差し(CEFR)でB1相当以上と判定された場合に限ります。ところが、入管の表の欄にあるのは技能の試験・検定だけです。判断に迷う場合は、申請先の地方出入国在留管理局に確かめてください。N3とCEFRの関係は「特定技能2号 N3の落とし穴」で扱っています。
介護も、この取扱いの対象です。申請には、厚生労働省の結果確認通知書を添えます。この通知書を受けるには、5年目の国家試験で全パート(試験をいくつかに分けた区分)を受験し、1パート以上に合格し、総得点で合格基準点の8割以上を取ることが必要です。学習計画の提出も求められます。詳しくは「介護福祉士のパート合格」で扱っています。
52点以上
第38回介護福祉士国家試験で延長の対象になる総得点(合格基準点64点の8割。1パート以上の合格も必要)
出典: 厚生労働省「パート合格…通算在留期間の延長に関する措置について」(2026年9月24日確認)
第38回介護福祉士国家試験で延長の対象になるのは、総得点52点以上(合格基準点64点の8割)で、1パート以上に合格した人です。

申請の時期と、添える書類
申請は、通算5年が満了する概ね3か月前です。申請の種類は、その時点の本人の状況で選びます。
| 本人の状況 | 申請の種類 |
|---|---|
| 1号のまま在留期間を延ばす | 在留期間更新許可申請 |
| ほかの在留資格から切り替える | 在留資格変更許可申請 |
| 出国中で、これから入国する | 在留資格認定証明書交付申請 |
添える書類は次の4つです。
- ①「特定技能1号」の在留期間更新許可申請に係る提出書類
- ② 通算在留期間を超える在留に関する申立書(参考様式第1-31号)
- ③ 移行に必要なすべての試験について、結果通知書の写し(8割以上が確認できるもの)
- ④ 介護分野だけ、厚生労働省のパート合格に係る結果確認通知書
満了の概ね3か月前まで
結果通知書をそろえ、すべての試験で合格基準点の8割以上かを確かめる
分野ごとに、使える通知書の発行日・受験日が決まっている
満了の概ね3か月前
申立書(参考様式第1-31号)と結果通知書の写しを添えて申請する(許可は入管の判断)
会社は、引き続き雇う意思と、合格に向けた指導・研修・支援等の体制を持つ
6年目
8割以上を取った試験の合格に向けて学び、受験する
本人が誓約する内容
段取りは3つです。満了の概ね3か月前までに結果通知書で8割以上を確かめ、概ね3か月前に申立書と写しを添えて申請します。許可が出たら、6年目はその試験の合格に向けて学び、受験します。
会社に問われる「体制」
許可の条件に、合格に向けた指導・研修・支援の体制が入っています。本人は、合格できなかった場合は帰国することを誓約しているので、この1年が次の受験に向けた大切な準備期間になります。
許可が出たら、まず次の受験日を決めます。そこから週ごとの学習量を割り振り、誰がいつ進み具合を見るかまで決めておくと、会社の体制として説明しやすくなります。
Monoxer GOは、最後の1年の受験日から逆算して、分野の専門用語を1日ごとの学習量に割り振ります。社員は記憶定着アプリMonoxerで少しずつ憶えます。会社は記憶度などの学習ログで、受験日までに届くペースかを週ごとに確かめられます。進め方は「特定技能2号に『会社として』合格させる方法」にまとめています。5年の期限までの逆算は「特定技能の5年後、どうしますか」、合格前の要件の全体は「特定技能2号の要件」にあります。
出典
- [1]出入国在留管理庁「通算在留期間」(原則5年・休業期間の扱い・2号評価試験等に不合格の場合の要件と疎明資料・結果通知書の確認方法・2026年9月24日確認)
- [2]厚生労働省「介護福祉士国家試験のパート合格(合格パートの受験免除)による…通算在留期間の延長に関する措置について」(第38回の基準点・提出書類・全パート受験・2026年9月24日確認)
- [3]出入国在留管理庁 飲食料品製造業分野の要領別冊(令和8年8月28日一部改正・2号の日本語能力水準)
- [4]出入国在留管理庁 ビルクリーニング分野の要領別冊(令和8年8月28日一部改正・2号の日本語能力水準)
- [5]出入国在留管理庁 日本語能力試験の結果通知書サンプル(「通算在留期間」のページに掲載・総合得点76点以上・N3の合格基準点95点・2026年9月25日確認)
2号の試験はどんな問題?
例として外食業2号の模擬試験から2問を載せています。ほかの分野は試験解説から形を確かめられます(建設・飲食料品製造業・ビルクリーニング)。
その場で体験
例:外食業 特定技能2号の模試から2問(実技はイラストつき)
学科 / 1問目(全2問)
よくある質問
Q.特定技能2号の試験に落ちたら、1号のまま6年目までいられますか?
いられる場合があります。2号への移行に必要なすべての試験で合格基準点の8割以上を取っていれば、特定技能1号のまま通算6年まで在留が許可されることがあります(出入国在留管理庁「通算在留期間」)。点数のほかに本人の誓約と、会社の雇用継続の意思と指導体制が必要で、申請は1号の通算5年が満了する概ね3か月前に行います。6年目に受からなければ、速やかに帰国します。
Q.特定技能の6年目はいつから申請できますか?
通算5年が満了する概ね3か月前に申請します。申請の種類は本人の状況で選び、在留期間更新許可申請・在留資格変更許可申請・在留資格認定証明書交付申請のいずれかです。許可されるのは、2号への移行に必要なすべての試験で合格基準点の8割以上を取っているなどの要件を満たし、相当の理由があると認められたときに限られます(出典: [1])。
Q.合格基準点の8割は何点ですか?
その試験の合格基準点に0.8を掛けた点数です。例えば合格基準点が70点の試験なら56点以上です。第38回介護福祉士国家試験では、合格基準点64点の8割にあたる52点以上が対象で、1パート以上の合格も必要です。日本語能力試験は総合得点で見ます。N3なら合格基準点95点の8割にあたる76点以上で、区分ごとでは判断しません(出典: [1][2][5])。
Q.6年目のあと、さらに在留を延ばせますか?
この取扱いでは延ばせません。認められるのは通算6年までです。本人は、2号の試験に合格できなかった場合は速やかに帰国すると誓約します。
Q.産休・育休をとった期間も、5年に数えられますか?
申請して認められれば、5年に数えない扱いがあります。産前産後休業と育児休業の期間は、通算在留期間に含まれない扱いです。育児休業は原則、子が1歳になるまでで、保育所に入れない場合は延長で最長2歳までです。病気・けがの休業も、連続1か月を超え、原則1年以下(労災は3年以下)の期間なら同じ扱いの対象です。どちらも、満了の概ね3か月前に、期間を示す資料を添えて申請します。相当の理由があると認められたときに限り許可されます。
Q.出入国記録の開示請求で、通算在留期間が分かりますか?
分かりません。出入国記録に載っているのは出入国歴や許可の年月日で、通算の計算結果は載っていません。記録をもとに、会社で計算します。地方出入国在留管理局の開示請求窓口や電話では、算定を含め出入国記録の問い合わせを受け付けていません。
改訂履歴(5件)
- 2026年9月24日 — 公開。一度で読み取りにくい文(主語や何を指すかが抜けた文、否定や条件が重なった文)を直し、各見出しの最初の文で問いに答えるよう並べ替えた
- 2026年9月25日 — 冒頭の「先に答え」を1文ずつの事実文に直し、分かれ道の図を番号リストにして図のあとに説明を加えた。8割の計算例を「70点なら56点以上」に改め、よくある質問に「6年目はいつから申請できるか」「合格基準点の8割は何点か」を追加
- 2026年9月30日 — 校正者による校正を反映(26か所)
- 2026年10月4日 — 2号の日本語要件の適用時期(4分野は2027年4月以降)を運用要領別冊の注記で確認し訂正
- 2026年10月8日 — よくある質問に「2号の試験に落ちたら1号のまま6年目までいられますか」を足した(答えは冒頭の事実だけ)
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