特定技能2号の実務経験はどう証明する? — 建設・外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングの書類と記録の付け方
建設は日数で、外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングは指導した年数で数えます。証明の書類も、確かめられる時期も分野によって違います。

先に答え
- 特定技能2号の実務経験は、建設では建設キャリアアップシステム(CCUS)に記録された職長・班長として就業した日数で、外食業と飲食料品製造業では2名以上を指導した2年(以上)の経験で確かめます(各分野の運用要領の別冊)。
- 外食業と飲食料品製造業は、会社がOTAFFに実務経験証明書を提出するので、2号の試験は会社の企業マイページからしか申し込めません。ビルクリーニングは、試験を申し込んだあとに証明の書類を全国ビルメンテナンス協会へ郵送します。
どの分野も「指導した経験」を数える
長く働いた年数ではありません。ほかの人を指導しながら働いた期間です。
分野によって違うのは、数える単位と、証明書を出す相手です。本人の基準や試験を含めた要件の全体は「特定技能2号の要件は3つの層で確かめる」にあります。
建設
- 経験
- CCUSに記録された職長・班長として就業した日数。日数は職種で決まる
- 証明
- レベル3の結果通知書の写し。または申告書(分野参考様式第6-3号)とCCUSの画面の写し
- 確かめる時期
- 在留資格の変更を申請するとき(出入国在留管理庁へ)
外食業
- 経験
- 2名以上を指導・監督しながら店舗管理を補助した2年間
- 証明
- 会社がOTAFFに出す実務経験証明書
- 確かめる時期
- 2号の試験の受験者登録をするとき
飲食料品製造業
- 経験
- 2名以上を指導しながら工程を管理した2年以上
- 証明
- 会社がOTAFFに出す実務経験証明書
- 確かめる時期
- 2号の試験の受験者登録をするとき
ビルクリーニング
- 経験
- 複数の作業員を指導しながら現場を管理した2年以上
- 証明
- 実務経験に係る証明書(原本)と、建物・日報・報酬などの書類
- 確かめる時期
- 試験の申込みのあと、協会に郵送するとき
建設:CCUSの日数はどう確かめる?
建設は試験ではなく、在留資格の変更を申請するときに確かめます。必要な日数は職種で決まります。国土交通省の一覧では0.5年(108日)から3年(645日)まであり、たとえば、鉄筋工で能力評価基準の呼称が「鉄筋」なら3年(645日)以上です。能力評価基準のない職種は、3年(勤務日数645日)以上です。
- 本人がCCUSに技能者登録しているかを確かめる。申告書を作るには、先に登録が必要です。
- 申請する業務区分に対応する職種と、能力評価基準の呼称を決める。土木区分で積んだ班長経験は、ライフライン・設備区分の申請では数えません。
- CCUSで、就業日数(職長+班長)が分かる画面と、職種ごとの日数がわかる画面を出し、写しを取る。
- 足りない日は、申告書の別紙の経歴証明書で補う。証明者の事業者名・役職名・氏名・CCUSの事業者IDを書き、期間ごとに行を分けて、誓約欄まで書きます。
レベル3と判定されていれば、結果通知書の写しで足ります。判定は必須ではなく、建設技能人材機構(JAC)も「あくまで『レベル3相当』」と答えています。他社の現場で班長を務めた日も数えます。試験の中身は建設の試験解説にまとめています。
外食業:2名以上を指導・監督した2年間

数えるのは、食品衛生法の営業許可を受けた飲食店で、2名以上のアルバイト従業員や特定技能外国人等を指導・監督しながら、接客を含む作業をして店舗管理を補助した期間です。副店長やサブマネージャーが想定され、店長として店舗管理をした期間も含みます。
相手の国籍や在留資格は問いません。シフトの都合で、いつも2名以上いなくてもかまいません。ただし2年間を終えてから10年を超えた経験は使えません。
確かめるのは2号の試験の受験者登録のときで、その時点で2年以上を確認できる必要があります。会社がOTAFFに実務経験証明書を出すため、申込みは企業マイページからの登録に限られます(外食業の試験解説)。
飲食料品製造業:ライン長・班長として2年以上

2名以上の技能実習生・アルバイト従業員・特定技能外国人等を指導しながら作業し、工程を管理した2年以上の経験です。相手は日本人も含まれ、同じ人でなくても、2人に満たない時間が一部あってもかまいません。役職は担当部門長・ライン長・班長などです。
運用要領の別冊は、1号の人を工程を管理する者として働いてもらうときは、辞令や職務命令書などで役職を命じるよう求めています。確かめるのは外食業と同じく受験者登録のときです(飲食料品製造業の試験解説)。
ビルクリーニングは、郵送する書類が多い
特定建築物か、建築物清掃業などの登録を受けた営業所が行う建物の清掃で、複数の作業員を指導しながら現場を管理した2年以上の経験が必要です。2023年6月9日の時点で1号として在留していた人は、同日以前の期間を実務経験とみなします。
試験を申し込んだら、書類を簡易書留か宅配便で協会に送ります。メールは受け付けていません。実務経験の証明に使うのは、次の書類です。
- 実務経験に係る証明書(別紙様式1号・原本)。作成責任者が直筆で署名します。
- 特定建築物の届出の写し、または営業所の登録証明書の写し
- 清掃した建物の証明書(様式第2号・原本)と、業務委託契約書の写しなど
- 現場を管理した実績の書面(業務日報や実施報告書の写しなど)を直近24か月分、月ごとに1日分。本人のシフト表だけでは足りません。
- 指導管理者になる前と後の報酬がわかる書面と、辞令・任命書など
申込みの手順は「特定技能2号の試験の申し込み方」、試験の中身はビルクリーニングの試験解説にあります。
ほかの分野の実務経験は?
| 分野 | 実務経験 | 確かめる時期 |
|---|---|---|
| 工業製品製造業 | 日本国内に拠点を持つ企業の、製造業の現場で3年以上 | 2号の試験を受けるとき(技能検定1級の合格者は証明書 分野参考様式第3-2号) |
| 航空 | 空港グランドハンドリングは技能者を指導しながら作業した経験。航空機整備は専門的な作業を3年以上 | 2号の試験を受けるとき |
| 漁業 | 漁船や養殖の現場で、作業員を指導しながら作業工程を管理するなどの経験を2年以上 | 2号の試験を受けるとき |
出典: [11]・[12]・[13]。造船・舶用工業、自動車整備、宿泊、農業は、この記事では扱っていません。
会社がいまから記録しておくこと
証明書を書くのは会社です。外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングの運用要領の別冊は、本人に求められたら実務経験を証明する書面を交付するよう定め、交付しなければ受入れの基準に合わないとしています。
2年たってから集めようとすると、辞令や日報が見つからないことがあります。指導や管理の役割を任せる日を決めたら、その日から残してください。
指導役を任せた日に、辞令か職務命令書を出す
外食業・飲食料品製造業の運用要領の別冊が、役職を命じる書類として例に挙げている。ビルクリーニングの申請書類にも辞令・任命書が含まれる
指導した相手と期間を、月ごとに残す
ビルクリーニングは、現場を管理した実績の書面を直近24か月分、月ごとに1日分ずつ提出する
役職に就く前と後の給与明細を取っておく
ビルクリーニングは、指導管理者になる前と後の報酬がわかる書面を求めている
建設は、職長・班長として従事した現場がCCUSに記録されているかを毎月見る
日数はCCUSに蓄積された就業日数で確かめる。記録のない日は、期間ごとに経歴証明書で補う
経験と試験がそろったあとの在留資格の変更は「特定技能2号の変更申請」、2号の全体像は「特定技能2号とは」にまとめています。
試験の勉強は、経験を積みながら
2号の試験は日本語で出題されます。Monoxer GOの合格プログラムでは、試験に出る分野の専門用語を記憶定着アプリMonoxerで毎日少しずつ憶え、本番の形式に合わせた模試で仕上がりを確かめます。学習期間は最短3か月〜(現在の日本語力によります)。会社は学習ログで進み具合を確かめられます。進め方は「特定技能2号に『会社として』合格させる方法」にあります。
出典
- [1]出入国在留管理庁 建設分野の要領別冊(班長の実務経験・確認対象の書類・CCUSの就業日数・PDF・2026年10月6日確認)
- [2]国土交通省「建設分野の2号特定技能外国人に求める『建設現場において複数の建設技能者を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長)としての実務経験』について」(令和7年1月31日一部改正・職種別一覧 2026年2月27日・PDF・2026年10月6日確認)
- [3]出入国在留管理庁 分野参考様式第6-3号「2号特定技能外国人に求められる実務経験に係る申告書」及び別紙「経歴証明書」(PDF・2026年10月6日確認)
- [4]建設技能人材機構(JAC)特定技能Q&A「特定技能2号について」(2026年10月6日確認)
- [5]出入国在留管理庁 外食業分野の要領別冊(指導等実務経験・確認の時期・証明書面の交付・PDF・2026年10月6日確認)
- [6]OTAFF 外食業分野 特定技能2号評価試験(受験資格・企業マイページからの受験者登録・2026年10月6日確認)
- [7]出入国在留管理庁 飲食料品製造業分野の要領別冊(管理等実務経験・辞令や職務命令書・確認の時期・PDF・2026年10月6日確認)
- [8]OTAFF 飲食料品製造業分野 特定技能2号評価試験(受験資格・企業マイページからの受験者登録・2026年10月6日確認)
- [9]出入国在留管理庁 ビルクリーニング分野の要領別冊(現場を管理する者としての実務経験・確認の時期・PDF・2026年10月6日確認)
- [10]全国ビルメンテナンス協会「在留資格『特定技能2号』」(受験資格・実務経験証明書等の提出・2026年10月6日確認)
- [11]出入国在留管理庁 工業製品製造業分野の要領別冊(製造業の現場における実務経験・PDF・2026年10月6日確認)
- [12]出入国在留管理庁 航空分野の要領別冊(2号の実務経験・PDF・2026年10月6日確認)
- [13]出入国在留管理庁 漁業分野の要領別冊(2号の実務経験・PDF・2026年10月6日確認)
よくある質問
Q.指導する相手が日本人のアルバイトでも、実務経験になりますか?
外食業と飲食料品製造業はなります。外食業の運用要領の別冊は指導・監督を受ける人の国籍・在留資格・職責を問わないとし、飲食料品製造業の要領は日本人を含むと書いています(出典:[5]・[7])。
Q.外食業で、店長として働いた期間は数えますか?
数えます。外食業の運用要領の別冊は、副店長やサブマネージャーなどの役職を想定しつつ、店長や事業所責任者として店舗管理に従事することも含むとしています(出典:[5])。
Q.建設で、CCUSのレベル3判定を受けていないと2号になれませんか?
なれます。求められるのはレベル3相当の就業日数(職長+班長)で、判定は必須ではありません。判定を受けていない人は、申告書(分野参考様式第6-3号)とCCUSの就業日数の画面の写しを提出します(出典:[1]・[3]・[4])。
Q.実務経験の証明書は、会社が書かないといけませんか?
外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニングでは、本人に求められたら会社が交付しなければならず、交付しないと受入れの基準に合わなくなります。外食業と飲食料品製造業の試験は、会社がOTAFFに実務経験証明書を提出して申し込みます(出典:[5]・[6]・[7]・[9])。
改訂履歴(2件)
- 2026年10月6日 — 公開。建設・外食業・飲食料品製造業・ビルクリーニング・工業製品製造業・航空・漁業の要領別冊、国土交通省の実務経験の資料と分野参考様式第6-3号、建設技能人材機構のQ&A、OTAFFと全国ビルメンテナンス協会の試験のページを確認して書いた
- 2026年10月7日 — Nikamiさんの校正を反映(27か所)
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