育成就労と特定技能は何が違うのか — 2027年4月から、1号へ移るには日本語試験が要る
うちの実習生は、2027年4月からどうなるのか?

先に答え
- 2027年4月1日に在留している技能実習生は、原則として認定を受けた計画のとおりに実習を続けられます(出入国在留管理庁 育成就労制度Q&A)。
- 2027年4月1日に育成就労制度が始まり、経過措置の対象者を除いて、新しく受け入れる人は育成就労になります(出入国在留管理庁 育成就労制度Q&A)。
- 育成就労から特定技能1号へ移るには、技能試験と日本語試験(A2.2相当以上。JLPT N4等)の両方に合格する必要があり、技能実習2号の良好修了による試験免除はありません(出入国在留管理庁 育成就労制度の概要・育成就労制度Q&A Q75)。
育成就労と特定技能の違いは、在留の上限と日本語の水準に表れます。在留の上限は、育成就労が原則3年、特定技能1号が原則5年で、2号は更新の上限がありません。日本語は、育成就労が働き始めるまでにA1相当以上、1号がA2.2相当以上(JLPT N4等)です(出入国在留管理庁の資料)。
育成就労・特定技能1号・2号を並べると
育成就労は、外国人を3年の就労で特定技能1号の水準まで育て、その分野の人材を確保する制度です。実習で技能を母国へ移す国際貢献から、育成と確保へ目的が変わりました。
| 項目 | 育成就労 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|---|
| 在留の上限 | 原則3年 | 原則5年 | 更新の上限なし |
| 日本語 | 働き始めるまでにA1相当以上 | A2.2相当以上(JLPT N4等) | B1相当以上(省令は2027年4月施行予定。どの試験の何点で証明するかは未公表) |
| 家族の帯同 | 原則認めない | 原則認めない | 要件を満たせば可能(手続き) |
| 生活や仕事の支援 | 監理支援機関(許可制) | 受入れ機関に支援義務(登録支援機関に委託可) | 支援の対象外 |
A1・A2.2・B1は、語学力の国際的な物差し(CEFR)にもとづく日本語の段階で、A1がいちばん下です。出典: [1]・[2]・[4]。
表の監理支援機関は許可制です。いまの監理団体(技能実習で受入れ企業を監理する団体)が事業を続けるには、新たに監理支援機関の許可を受ける必要があります。許可の基準は厳しくなります。
対象の分野にも違いがあります。特定技能の19分野のうち、自動車運送業と航空の2分野は育成就労の対象外です(令和8年7月時点)。

2027年4月以降、いまいる技能実習生はどうなる?(経過措置)
2027年4月1日に在留している実習生は、原則として、認定を受けた計画のとおりに実習を続けられます。技能実習3号へ進めるのは、その日に技能実習2号を1年以上続けている人です。
この日までに技能実習計画の認定を申請した人が、経過措置の対象になる。
育成就労制度の運用が始まる。この日に在留中の実習生は、原則そのまま実習を続けられる。技能実習2号を1年以上行っていれば、技能実習3号へ進める。
3月31日までに認定を申請した実習は、この日までに始めれば原則として続けられる。
経過措置の対象外で新しく受け入れる人は、育成就労になる。
経過措置の対象は、2027年4月1日に在留している実習生と、3月31日までに計画の認定を申請して6月30日までに実習を始めた人です。それ以外で新しく受け入れる人は、育成就労になります。経過措置で実習を続ける人には技能実習のルールがそのまま当てはまり、途中から育成就労へは切り替えられません。
1号へ上がる道に、日本語の試験が入る
いまは技能実習2号を良好に修了すれば、1号へ移るときの技能と日本語の試験が免除されます。育成就労から1号へ移るときは、両方の試験に合格する必要があります。
| 1号へ移るとき | いま(技能実習2号を良好に修了) | 育成就労から |
|---|---|---|
| 技能の試験 | 免除 | 技能検定3級等、または特定技能1号評価試験 |
| 日本語の試験 | 免除 | A2.2相当以上(JFT-Basic、JLPT N4等) |
出典: [1]・[2](Q75)。
働きながら日本語を身につける
育成就労(原則3年)
両方を受ける
- 技能の試験:技能検定3級等、または特定技能1号評価試験
- 日本語の試験:A2.2相当以上(JFT-Basic、JLPT N4等)
両方に合格
特定技能1号へ移れる
不合格
最長1年の範囲内で在留継続を認める方針
技能実習2号の良好修了による試験免除はない
育成就労から特定技能1号へ移るには、技能の試験と日本語の試験(A2.2相当以上)の両方に合格する必要があります。不合格でも、すぐ帰国とは限りません。最長1年の範囲内で在留の継続を認める方針が示されています。
育成就労は原則3年です。例)2027年10月に働き始めた人なら、3年の期間は2030年秋。不合格でも再受験できるよう、初回の受験は前倒しで組んでおくと安心でしょう。
日本語は3年でどこまで伸ばすのか
A1→A2.2
育成就労の3年で伸ばす日本語の段階。働き始めるまでにA1相当以上、特定技能1号へ移るときにA2.2相当以上
出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」・育成就労制度Q&A(Q56・Q75)
育成就労の3年間で、日本語はA1相当からA2.2相当まで伸ばすことになります。入国の時点では、技能にも日本語にも要件がありません。働き始めるまでにA1相当以上の試験に合格するか、認定日本語教育機関でA1相当の講習を100時間以上受けます。分野によっては、もっと高い水準が決められることもあります。
育成就労で働き始めるまで
A1相当以上
JFT-Basic、JLPT N5等(講習100時間以上でも可)
途中の段階
A2.1
A1に到達し、A2.2に向けて学習が進んでいる
特定技能1号へ移るとき
A2.2相当以上
JFT-Basic、JLPT N4等
特定技能2号
B1相当以上
2027年4月1日から省令施行予定・証明方法は未公表
日本語の段階は、働き始めるまでのA1相当以上、特定技能1号へ移るときのA2.2相当以上、特定技能2号のB1相当以上の順に上がります。A2.1は途中の段階です。A1に届き、A2.2へ向けて学習が進んでいる状態を指します。
2号のB1相当以上を試験で確かめる省令は、2027年4月1日から施行される予定です。詳しくは2号のB1についての記事で扱っています。
条件がそろえば、本人の意向で職場を移れる
本人の希望で職場を移る「転籍」は、次の条件をすべて満たしたときに限り認められます。
- 移れるのは、同じ業務区分の中だけ
- いまの職場で、分野ごとに決まる期間(1年以上2年以下。転籍制限期間)を過ぎている
- 技能と日本語が、分野ごとの一定の水準に届いている
- 民間の職業紹介を受けていない
- 移る先が優良な実施者で、元の職場に一定の金額を払う
- 移る先で、本人の希望で転籍してきた人の割合が一定以内
会社として、いまから準備すること
- ① 実習生一人ひとりがいまどの段階かを確かめる。2027年4月1日に技能実習2号を1年以上続けているかで、技能実習3号へ進めるかが決まります。
- ② 来年度以降に入る人の日本語計画を立てる。A1からA2.2までを3年に割り、1年ごとの到達点を決めておくと、遅れに早く気づけます。
- ③ 1号の技能試験とJLPTの日程から逆算する。その先の2号までの時期は特定技能2号 育成ロードマップで分野別に整理しています。
育成就労の3年でA1からA2.2へ、2号ではさらにB1まで。一夜漬けでは届かない幅です。Monoxer GOの合格プログラムでは、記憶定着アプリMonoxerで毎日少しずつ学び、記憶度などの学習ログを会社も見ながら伴走します。1年ごとの到達点に対して遅れていないかを、会社の側から確かめられます。
出典
N4とN3の問題を1問ずつ解いてみる
1号へ移るときに必要なA2.2相当(JLPT N4等)と、その先の2号の目安になるN3。3年でA1相当からA2.2相当へ上がる幅がどのくらいか、2つの模擬試験から1問ずつ載せます。解くとすぐ正誤が分かります。
その場で体験
JLPT N4(1問目)と N3(2問目)の文法問題
文法 / 1問目(全2問)
よくある質問
Q.育成就労と特定技能の違いは何ですか?一覧で教えてください。
在留の上限は、育成就労が原則3年、特定技能1号が原則5年、特定技能2号は在留期間の更新に上限がありません。日本語は、育成就労が働き始めるまでにA1相当以上、1号がA2.2相当以上(JLPT N4等)、2号がB1相当以上(省令は2027年4月施行予定)です。家族の帯同は、育成就労が原則認めない、1号が原則認めない、2号が要件を満たせば可能です。支援は、育成就労が監理支援機関(許可制)、1号が受入れ機関の支援義務(登録支援機関に委託可)、2号は支援の対象外です(出典: [1]・[2]・[4])。
Q.育成就労から技能実習に戻れますか?
育成就労から技能実習へ移る手続きは、育成就労制度Q&Aに示されていません。2027年4月1日の施行後も技能実習を続けられるのは、その日に既に来日している実習生と、3月31日までに技能実習計画の認定を申請し6月30日までに実習を始める人です。これに当たらない人は、技能実習生として入国できません(Q31・Q47。出典: [2])。
Q.技能実習生はいつまで受け入れられますか?
2027年3月31日までに技能実習計画の認定を申請し、6月30日までに実習を始めた人は、原則として技能実習を続けられます。それ以外で新しく受け入れる人は育成就労になります。
Q.育成就労で家族は呼べますか?
原則として認められません。特定技能2号になれば、要件を満たすと配偶者と子の帯同が可能になります。
Q.3年以内に1号の試験に合格できなかったら、すぐ帰国ですか?
すぐ帰国とは限りません。出入国在留管理庁のQ&Aでは、技能と日本語の試験に不合格だった場合、最長1年の範囲内で一定の在留継続を認める方針とされています。
Q.従業員が転籍されたら、育成にかけた費用は戻りますか?
転籍先から転籍元へ、金額が支払われます。額は、取次ぎと育成にかかる費用として国が告示で定める額に、転籍元で働いた期間に応じた割合(按分率)をかけたものです。
改訂履歴(4件)
- 2026年9月24日 — 公開。一度で読み取りにくい文(主語や何を指すかが抜けた文、否定や条件が重なった文)を直し、各見出しの最初の文で問いに答えるよう並べ替えた
- 2026年9月25日 — 3つの図を番号つきの一覧に組み直し、図のすぐ後に中身を文で書いた。図の出典は記事末の番号で示した。数字カードを「3年でA1相当→A2.2相当」に差し替え、対象外の2分野は本文に移した。「一覧で違いを知りたい」「技能実習に戻れるか」の2問をよくある質問に加えた(育成就労制度Q&A Q31・Q47で確認)/2号の在留を「上限なし」から「在留期間の更新に上限なし」に
- 2026年9月30日 — 校正者による校正を反映(19か所)
- 2026年10月8日 — 冒頭に「育成就労と特定技能の違い」に答える段落を置き、よくある質問の問いをその言い回しにした
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